米男子ゴルフのメジャー第1戦「マスターズ」は11日から4日間、米ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開催される。2月の「ジェネシス招待」でアジア勢単独最多の通算9勝目となる2年ぶりの米ツアー優勝を果たした松山英樹(32)=LEXUS=は、2021年以来の大会2勝目を狙う。松山のツアーレップ(用具担当)を務める宮野敏一氏(43)が取材に応じ、そのクラブセッティングを解説した。(取材構成・阿部慎)
■用具担当の宮野敏一氏が解説
信頼の14本で、松山がマスターズに挑む。2月の「ジェネシス招待」を制した際、松山は総合契約を結ぶ住友ゴム工業・ダンロップのクラブを11本使用。宮野氏の解説のもと、紹介していく。
【ドライバー=スリクソンZX5 MkⅡLS】フルチタン構造でスリクソン史上最大のボールスピードを実現したモデル。飛距離を求める上で適正スピン量は2200~2400回転とされる中、スピン量を抑えるLS(ロースピンモデル)を手に取る。昨年10月の「ZOZOチャンピオンシップ」から完全に同じクラブを握っており、宮野氏は「ここ最近だと珍しいかな。もう間違いないエースドライバー」と明かした。
3番、5番ウッドは海外ブランドを使用するが、松山自身の好みもある。それが「やさしさ」。宮野氏によれば「見え方がちょっと大きめで、やさしさを形状で感じさせてくれるものが好き」という。一方でシャープさも求めている。
【アイアン=スリクソンZフォージドⅡ(4~9I、PW)】世界でも屈指のアイアンショットの精度を誇る松山だけに、開発にその思考が反映された。「大まかにいえばマッスルバッグだけど、やっぱりちょっとやさしさが欲しい。どこかでクラブで助けられたい-というのは大きな意見だった」と宮野氏。打感のシャープさを残しながら、距離のミスにも寛容性が高い。