歌手、八代亜紀さん(享年73)の訃報が流れた9日、芸能界に悲しみの声が広がった。今も語り継がれる「五八戦争」など時に競い合い、デビュー前から支え合ってきた歌手、五木ひろし(75)は「あまりの驚きに言葉もありません」とショックを隠しきれない様子。ブレーク前にレコード会社の事務員として八代さんを担当していた歌手、伍代夏子(62)は「八代さんがいなくなってしまったなんて信じられません」と喪失感を吐露した。
明るい性格で誰からも愛された歌姫との別れに、仲間たちは悲痛な声を上げた。
八代さんと10代の頃に銀座のクラブ歌手として出会い、50年以上にわたり苦楽を共にしてきた五木は、「訃報を聞き、あまりの驚きに言葉もありません」と胸中を吐露。
1980年に五木の楽曲「ふたりの夜明け」と八代さんの楽曲「雨の慕情」が大ヒットし、賞レースで激突。お茶の間を巻き込んで対決がヒートアップし、お互いの頭文字をとり「五八戦争」として話題になった。
結果的に日本レコード大賞、日本歌謡大賞ともに八代さんに栄冠が輝いたが、時にライバルとして、時に仲間として、お互いを認め合っていた唯一無二の存在。五木は「彼女の下積み時代から50数年間、頑張っている姿をずっとそばで見てきました。心から敬意を表したいと思います」と天国へ思いを届けた。
82年にデビューした伍代は、ブレーク前の85年頃、レコード会社の事務員として八代さんを担当。故人を尊敬しながら親交を深めてきた。
「今春から始まる予定だったジョイントコンサートを楽しみに、頑張って治療していたと伺いました」としんみり。「快方に向かっていると信じていたので、とてもショックです。あまりにも突然すぎて、八代さんがいなくなってしまったなんて信じられません」と悲しみに暮れた。
何度も共演を重ねデュエットを披露することもあった演歌歌手、藤あや子(62)は、「大好きな八代亜紀さん。いつもの優しい笑顔で仕事に復帰してくださることを信じて待っておりました。悔しいです」と無念の思いを吐露。演歌歌手、長山洋子(55)は「歌手としても、人としても本当に大好きな先輩でした」と感謝した。