体操・全日本種目別選手権第2日(11日、国立代々木競技場)世界選手権(9~10月、ベルギー)の代表最終選考を兼ねた大会。決勝が行われ、女子床運動で2016年リオデジャネイロ五輪、21年東京五輪代表の杉原愛子(23)=武庫川女子大=が、13・400点で優勝した。昨年競技生活を一区切りし、1年ぶりに〝競技復帰〟した杉原。「自分でも驚いてます。めっちゃ楽しくて、全然緊張せえへんくて。目標だった一つのエンターテインメントの作品を、手拍子もいただきながら作れて、有言実行できたのかなと思います」と満面の笑みだった。
会場を巻き込む名演技だった。曲に合わせてノリノリで舞い、中盤は前日の予選同様、手拍子を求めて会場を一つに。大きなミスなく演じきり、21年以来2度目の優勝を手にした。
武庫川女子大や同付属中のコーチ、リポーター、審判など、多岐にわたる活躍を見せる中、昨年のこの大会以来の試合出場。「体操界を盛り上げたい」との一心で、笑顔を振りまいた。試合のブランクを感じさせない演技で会場を盛り上げた後は、他の競技者を全力応援。「自分の後のみんなも、いい演技をしていた。頑張ってほしい気持ちが先走っちゃいました」と振り返った。
今後もさまざまな活動を通じて体操の楽しさを伝えつつ、試合にも出場していく意向。「〝二刀流〟が実現できた。これっていう目標はないけど、また新たに進んでいけるのは楽しみではあります」と、目を輝かせた。