山形・米沢市出身のあきさんはダンサーを志して高校を中退し、大阪OSミュージックホールでヌードダンサーとして初舞台。1974年、日劇ミュージックホールへ移ると、情緒がある山形弁のコントで注目を浴び、コメディエンヌとしてテレビ出演を果たした。
その後、「裸踊りをいつまでも続けてるわけにもいかね」と役者の道へ。転機は83年にカンヌ国際映画祭でパルム・ドール(最高賞)を受賞した映画「楢山節考」(今村昌平監督)。故緒形拳さん(2008年死去、享年71)扮する主人公の後妻役を務め、真面目で気立てがいい働き者の女性を力強く演じ、演技派としての地位を確立した。
以後、性格俳優として映画「夜叉」「マルタイの女」、NHK連続テレビ小説「青春家族」「どんど晴れ」、大河ドラマ「徳川家康」「八代将軍吉宗」など数々の人気作で存在感を発揮。なまりを生かしたトークとチャーミングな人柄はお茶の間で親しまれ、「炎の体育会TV」や日本テレビ系「秘密のケンミンSHOW」などバラエティー番組でも活躍した。
私生活では42歳だった1989年4月に8歳下の服飾デザイナーと再婚。プライベートについて語ることはなかったが、公私ともに順調だったとみられる。
闘病中の姿を見せまいと、約2年前から表舞台に出ることはなかったあきさん。希望通り元気なイメージを残したまま、静かに天国へ旅立った。
★芸能界悲しみの声
◆日テレ系「秘密のケンミンSHOW」やTBS系「炎の体育会TV」などで共演したタレント、勝俣州和(57) 「あきさんは番組出演者のお母さんのような存在でした。あの大きな笑い声がいつも現場を明るくしてくれました。一緒にハワイ旅行したのがとても楽しい思い出として残っています」
◆TBS系「虹のかなた」で親子役を演じた純烈の小田井涼平(51) 「太陽のような明るさで現場を盛り上げてくださいました。山形弁の方言トークで盛り上がったことを今でもはっきり覚えてます。ありがとうございました」(ツイッターより)
◆テレビ番組で共演した浅草キッドの玉袋筋太郎(55) 「ガキの頃からの理想の女性。根底にはあなたが流れているんです どこかであなたみたいな女性に会いたくて生きています。あき竹城さんありがとう!」(ツイッターより)
■あき竹城(あき・たけじょう) 1947(昭和22)年4月4日生まれ。山形県出身。74年に日劇ミュージックホールで舞台を踏み、83年の映画「楢山節考」で女優としての地位を確立。山形弁を生かした親しみやすい雰囲気でバラエティー番組でも活躍した。主な代表作は映画「マルタイの女」、NHK連続テレビ小説「どんど晴れ」、大河ドラマ「天地人」、テレビ朝日系「遠山の金さん」、TBS系「炎の体育会TV」など多数。167センチ。