アイドルグループ「おニャン子クラブ」の元メンバーでタレントの生稲晃子氏(53)が6日、東京・永田町の自民党本部で記者会見を開き、今夏の参院選東京選挙区(改選数6)に同党公認で出馬すると発表した。現職の蓮舫氏(立憲民主党)をはじめ激戦区となりそうだが、「出るからにはおニャン子クラブの名前を汚さないように頑張って当選したい」とキッパリ。同グループ初の政界進出に意欲をみせた。
熱い「女の戦い」が予想される夏の参院選東京選挙区。会員番号40番の元おニャン子も名乗りを上げた。
薄いオレンジ色のスーツに身を包み、緊張した表情で報道陣の前に現れた生稲氏は「病気になっても生きがいややりがいを持って仕事を続けられる環境を整えることが最も重要。実現するために、出馬を決意した」と説明。
自身は2011年に乳がんが発覚したが、15年まで公表できなかった。その理由について、レギュラー出演していたテレビ番組が健康番組だったことに加え「仕事を失ってしまうかもしれない。怖かった」と告白。その上で、病気の治療と仕事の両立は現在でも社会的な課題だと繰り返した。
出馬の誘いは、16年に初会合を開いた政府の「働き方改革実現会議」民間議員だったことがきっかけ。今年3月初旬に〝おニャン子世代〟でもある世耕弘成参院幹事長(59)から打診を受けた。
最終決断は今月4日。この間、元おニャン子メンバー数人から激励のメールが届いた。なかでも自身のことをよく分かってくれているというタレント、立見里歌(56)からのメールは特別で、「『自信を持て』と長いメールをくださって、涙が出ました。うれしくて」としみじみ。
自民党の国会議員になった芸能人には三原じゅん子参院議員や今井絵理子参院議員(38)がおり、「きちっと仕事をされているのは尊敬に値する」と敬意を表する。
一方でネット上には芸能人が政治家になることを批判する書き込みがあり、つらくなるのでこの数日はネットを見ていないとも。
「おニャン子クラブという言葉のイメージで、生稲に(国会議員が)できるのかと聞いたこともある。それではおニャン子クラブに申し訳ない。出るからにはおニャン子クラブの名前を汚さないように頑張って当選したい」。批判もばねにして前に進む覚悟だ。