眼光鋭い伊丹を演じる川原。他に演じたい役はないが、「伊丹が川原和久の収まりどころ。遊びで中園参事官を1回やってもいいけどね」とニヤリ=東京・練馬(撮影・尾崎修二)
ギャラリーページで見るテレビ朝日系「相棒」シリーズの個性豊かな脇役たちが相棒愛を語る誕生20周年特別企画は、今回が最終回。ラストを飾るのは、捜査一課の伊丹憲一役を務める川原和久(59)。初回から出演している数少ないバイプレーヤーだ。20年にわたってドラマの人気を支えてきた立役者は「いい意味で『相棒』に捕まっちゃったから添い遂げないと」と照れ笑い。役同様、不器用な男が作品への思いをストレートに明かした。(取材構成・宮越大輔)
■シリーズ化段階で切られると
何かと捜査に首を突っ込んでくる特命係を疎ましく思っている伊丹。こわもてで短気な憎まれ役を愛されキャラに築き上げたのが川原だ。
「『次もやれるんだ』の繰り返しで、気付いたら20年たっていた」
捜査一課の赤バッジが輝くスーツ姿で取材に応じたベテランは、渋い声で淡々と語った。
節目となる「相棒 season19」(水曜後9・0)が17日に最終回を迎える。前例のないコロナ禍での撮影について「大変でしたが、一人も感染することなく終えられた」と一安心。前シーズンの打ち上げもできないまま撮影に入ったため、新レギュラー・小出茉梨役の森口瑤子(54)とあいさつできたのが正月スペシャルになるなど「コミュニケーションができない方がいっぱいいらっしゃった」と残念がった。
「相棒」には2000年に土曜ワイド劇場で放送された「pre season」の第1話から登場。初回から出演している役者はわずかで、大学時代に立ち上げた劇団ショーマ出身の川原は「シリーズ化する段階で切られると思っていた。小劇場俳優が入れるわけがないと。だから『またやれるんだ』と思いましたね」と感謝する。
主人公・杉下右京役の水谷豊(68)とは、「相棒」以前に同枠で放送されていた「探偵事務所」で一度共演した。当時は真犯人役で「豊さんとガッツリ戦わせてもらった。子供の頃から見ていた俳優なので、熱いものがあった」としみじみ。「『相棒』のロケバスでお会いしたときに『覚えているよ~』とおっしゃってくださって、うれしかったです」と目尻を下げた。
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