(セ・リーグ、ヤクルト8-5阪神、16回戦、阪神10勝6敗、19日、神宮)えっ、当たった!? 阪神は今季初勝利を目指した先発・岩田稔投手(34)が、1点を追う三回先頭で青木宣親外野手(36)に頭部死球を当てたとして、危険球退場を宣告された。青木が「分からない」と話す極めて微妙な1球に対して、金本知憲監督(50)のリクエストは認められず、そこから大暗転。阪神・谷本修球団副社長兼本部長は試合後、意見書の提出を検討することを明かした。
青木が首をすくめる。バックネット方向に体をよじり、岩田の危ない球を避けようとした。梅野のミットも弾かれる。一瞬、時が止まった。死球!? ン…!? 三回無死、先頭の青木が起き上がり、一塁に歩き出す。土山球審のジャッジは危険球退場。神宮球場がざわついた。
岩田の退場後、土山球審と話した金本監督は試合後「審判がね。危険球って宣告した以上は覆らない、ということだったから。ビデオ判定もないし」と会見場に用意された椅子に腰掛け、腕を組みながらやりとりを明かした。
腑に落ちないのは指揮官だけではなかった。試合の行方を大きく分けた岩田の44球目を最も近くでみていた梅野は「ヘルメットに当たった音はしてなかった」と主張した。土山球審からは「先にヘルメットに当たった音がして、その後、ミットに当たった」との説明を受けたという。帰りのバスへ歩を進めながら「ランナー一塁とワンボールとでは全然違う。(審判団で)確認はしてほしかった」と率直な心境を漏らした。