リオデジャネイロ五輪第15日(19日、ポンタル)陸上の男子50キロ競歩で、昨年の世界選手権4位だった荒井広宙(28)=自衛隊=が3時間41分24秒で3位でゴール。男女を通じて日本競歩界初のメダル獲得かと思われたが、他選手を妨害したとしてレース後に失格処分となった。
レースは世界記録保持者のヨアン・ディニ(38)=フランス=が、序盤から前に出てひとり旅。22分10秒で5キロを通過。谷井孝行(33)=自衛隊=は2位集団で先頭と30秒差。荒井、森岡紘一朗(31)=富士通=は37秒差で通過した。
10キロ通過は、谷井らの2位集団が30秒差。この集団に荒井が追いついた。
22キロ過ぎ、2位集団がペースを上げた。荒井は対応するも谷井は後退。
32キロ過ぎにレースが大きく動いた。先頭を独歩していたディニが足を痛めレースをストップ。レースを再開するも一気に混戦状態になった。
荒井は4人の3位グループで先頭から14秒差で35キロを通過。39キロ過ぎには先頭を荒井らの集団がとらえ、5人の集団になった。
荒井は40キロを単独2位で通過。先頭とは4秒差まで詰めた。
45キロは3位で通過し、2位とは4秒差、後続とは15秒差となった。48キロ過ぎ、4位の選手にいったんは抜かれるも、互いに接触しながらすぐに抜き返した。そのまま順位を守り、3時間41分24秒、先頭と26秒差でゴールしていた。
「判断に対して上訴した。納得していない。不可抗力の接触。われわれからするとカナダ選手の肘が先に当たっている」
「最初からリズムに乗れなかった。20キロぐらいから苦しい動きになり、25キロぐらいから意識も薄くなってきた。スタート前から不安があった」
「力が足りなかった。自分の中では最善を尽くした。悔しい。やっとつかんだ五輪のチャンスだったのでものにしたかった」