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米迎撃システム韓国配備へ

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米迎撃システム韓国配備へ

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 高高度防衛ミサイル(THAAD)の発射実験=2010年6月、ハワイ・カウアイ島(AP)  高高度防衛ミサイル(THAAD)の発射実験=2010年6月、ハワイ・カウアイ島(AP)

 米国と韓国は8日、北朝鮮の核・ミサイルに対処するため米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を在韓米軍に配備することを決定したと発表した。「速やかな」配備を目指すとしており、韓国国防省関係者は来年末までに運用が始まるとの見通しを示した。米韓は共同発表文で「北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対してのみ運用するもので、(他の)いかなる第三国に向けたものではない」と強調した。

 米韓は北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルを発射した今年2月7日、THAADの韓国配備を検討する協議を始めると発表。約5カ月での配備決定発表となった。韓国政府は今月7日、中ロなど周辺国に配備決定や理由を事前に通知した。

 韓国側によると、THAAD配備地域については「最適な敷地を米韓両国防相に建議できるよう最終準備中」という。

 「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を在韓米軍に配備することを決定したと発表し、握手を交わす米韓関係者=8日、ソウルの韓国国防省(聯合=共同)
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 「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を在韓米軍に配備することを決定したと発表し、握手を交わす米韓関係者=8日、ソウルの韓国国防省(聯合=共同)フルスクリーンで見る 閉じる

◇ 中国、配備停止を要求
 THAADの韓国配備について、中国外務省は8日、「強烈な不満と断固たる反対」を表明、米韓に対して配備の動きを停止するよう要求した。
 習近平国家主席は2012年に共産党総書記に就任しトップになって以来、北朝鮮より先に韓国を訪問するなど、北朝鮮による核開発に反発する形で韓国重視の姿勢を打ち出してきたが、THAAD配備決定を受けて、対韓政策を見直す可能性がある。北朝鮮との関係修復のめども見通せず、朝鮮半島に対する影響力低下が鮮明になった。
 中国外務省は「THAAD配備は朝鮮半島の非核化にプラスにならない上、中国を含めた各国の安全保障を著しく損なう」と批判した。 習主席は、先月29日に北京で韓国の黄教安首相と会談した際、THAADの韓国配備について、中国の安全保障への懸念を示し「慎重かつ適切な処理」を要求していた。中国と同様にTHAADの韓国配備に反対するロシアとの連携を模索していくとみられる。(共同)

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