橿原神宮で神武天皇祭 厳かに「浦安の舞」

「浦安の舞」を奉納する巫女=奈良県橿原市の橿原神宮
「浦安の舞」を奉納する巫女=奈良県橿原市の橿原神宮

初代・神武天皇の遺徳をしのぶ神武天皇祭が3日、奈良県橿原市の橿原神宮で営まれた。日本書紀によると、天皇は紀元前585年4月3日に127歳で崩御。祭典は毎年、命日のこの日に行われ、今年は約千人が参列した。

内拝殿では、神武天皇の功績をたたえる祝詞(のりと)が久保田昌孝宮司によって読み上げられ、巫女が鈴や扇を手に厳かに神楽(かぐら)「浦安の舞」を奉納。昭和天皇が詠まれた歌をもとに皇紀2600年にあたる昭和15年に作られた舞で、多くの参拝者が見入っていた。

県指定無形民俗文化財の「国栖奏(くずそう)」も奉納された。15代・応神天皇が吉野行幸の際に国栖の人々が歌舞を奏したことが由来。神武天皇も東征の際に吉野で国栖の人々に迎えられたという。国栖奏を初めて見たという奈良市内の女性(60)は「伝統ある舞を伝えていくことの大切さを感じました」と話していた。

4月3日は地元で「神武さん」として親しまれ、境内一帯では雨にもかかわらず和太鼓演奏や地元の特産物販売なども行われた。

会員限定記事会員サービス詳細