2023年の出生数、過去最少の75万人 人口減り幅は過去最大 厚労省統計の速報値

子育て支援施設を視察する岸田文雄首相(中央)=令和5年2月19日、岡山県奈義町
子育て支援施設を視察する岸田文雄首相(中央)=令和5年2月19日、岡山県奈義町

厚生労働省が27日に発表した人口動態統計の速報値(外国人らを含む)によると、2023年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は過去最少の75万8631人だった。初めて80万人を割った22年から5・1%減り、少子化が一段と進んだ。今後発表する日本人だけの出生数は70万人台前半への落ち込みが確実な情勢だ。婚姻数も50万組を割り戦後最少。死亡数は過去最多の159万503人となり、出生数を引いた人口の自然減は83万1872人と最大の減少幅になった。

未婚・晩婚化の傾向は変わらず、少子化は政府想定を上回るペースで進む。地域や社会経済活動の維持が課題となる。政府は30年までを反転のラストチャンスとして「次元の異なる少子化対策」を掲げ、児童手当拡充などの関連法案を今国会で成立させる方針だが、効果は見通せない。

「異次元」うたうなら意識改革に踏み込むべき 少子化深刻、先行き見通せず

フランスやスウェーデンも出生率低下傾向 日本は「超低出生率」前年の1・26下回る情勢

会員限定記事会員サービス詳細