粥が告げる作柄 「今年も豊作」 伊弉諾神宮、厳島神社で伝統神事 淡路島内

「御粥占祭」で、炊きあがった粥に豊作を祈る参拝者=15日午後、兵庫県淡路市多賀、伊弉諾神宮(藤崎真生撮影)
「御粥占祭」で、炊きあがった粥に豊作を祈る参拝者=15日午後、兵庫県淡路市多賀、伊弉諾神宮(藤崎真生撮影)

粥(かゆ)の形状などで今年の米の作柄を占う伝統の神事が15日、兵庫県淡路市の伊弉諾神宮(本名孝至宮司)と、同県洲本市の厳島神社(浦上雅史宮司)で行われ、参拝した人らは粥の様子を真剣に眺めたり、手を合わせたりして今年の豊作を願っていた。

イザナギノミコトとイザナミノミコトの「国生み2神」を祭る伊弉諾神宮で営まれた「御粥占祭(おかいうらまつり)」は、年中神事のなかでも特に重要な特殊神事として位置づけられる。米1升と水8升で粥を作り、釜に入れた3本の竹筒から流れ出た粥の状態から今年の早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)の作柄を占う。豊作か否かは、見る人に委ねられるのだという。

神宮を訪れた洲本市の農業、駒勢(こませ)康雄さん(71)は豊作と判断。「害虫や台風などの自然災害の影響を受けることなく、収穫ができることを祈っています」と静かに語った。

一方、「弁天さん」の愛称で知られる洲本市の厳島神社では「粥占祭(かゆうらさい)」が行われた。「竹筒から流れ出る粥の形状をみる」という点は伊弉諾神宮と同じ。だが、厳島神社で作られるのは小豆粥で「小豆の入り具合」も豊作かそうでないかの判断材料になるという。

小豆粥を使った厳島神社の「粥占祭」。粥の形状だけでなく、小豆の状況も豊作か否かの判断材料になる=15日午後、兵庫県洲本市本町、厳島神社(藤崎真生撮影)
小豆粥を使った厳島神社の「粥占祭」。粥の形状だけでなく、小豆の状況も豊作か否かの判断材料になる=15日午後、兵庫県洲本市本町、厳島神社(藤崎真生撮影)

拝殿には早稲を含む3種の稲、それぞれの作柄を占う竹筒が飾られた。その状況から、浦上宮司は「今年も昨年と同じように、豊作になるものと思っています」と語った。

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