心が軽くなった「笑顔が魅力的」の言葉 「あたりのキッチン!」主演の桜田ひより

「あたりのキッチン!」に主演する桜田ひより
「あたりのキッチン!」に主演する桜田ひより

「あたりのキッチン!」フジテレビ系 土曜午後11時40分

子役から俳優としてのキャリアをスタートさせ、数々のキャラクターに扮してきた。だが、今回演じている辺清美の、料理が得意で調味料の配合も言い当てられる鋭い味覚の持ち主だが、極度の人見知りで、コミュニケーション能力は極めて低いという設定の役は、これまでにない。

「コミュニケーション能力不足ながら自分なりに何かを伝えようと頑張るけれど、おどおどしていて挙動不審。消費エネルギーが多い役です」

清美がアルバイト先の定食店で、店主の中江善次郎(渡部篤郎)の下、唯一のコミュニケーション手段である料理で客の心をほぐしていくハートフルな物語が展開。客らとの交流を通し、清美の成長が描かれる。物語は終盤になり、「清美が持つ真っすぐさ、愛らしい部分が際立ってきて、魅力的になっていると思います」と語り、「清美が少しずつ会話でのコミュニケーションが取れるようになって、考えや性格、将来像も変わっていく。優しく見守っていただけたら、うれしいです」と役への愛情を見せる。

“絶対味覚”をもつ大学生、辺清美の成長物語
“絶対味覚”をもつ大学生、辺清美の成長物語

欠かせないのが、食べる人への思いがこもった料理。これまで鶏みぞれうどん、さばのみそ煮、メンチカツなどが登場し、「家庭の味なので、視聴者の方は作りたくなるんじゃないかな」と期待。ちなみに、自身は得意料理に「コンソメ味のロールキャベツ」を挙げ、「寒くなったら作りたくなります」とほほ笑む。

清美が料理で客の悩みや傷を和らげていくように、自身も仕事を続ける中で、心が軽くなった言葉があると振り返る。

「あることがきっかけで、プライベートでもあまり笑えなくなってしまったんです」。だが、高校2年生の時、仕事場で言われた言葉「ひよりちゃんの笑顔はとても魅力的だよ」が彼女を変えた。

「その一言で救われた気がして。撮影で『かわいいね、笑顔がいいね』と言われることがあっても自信が持てなかったけれど、その時のその言葉がストレートに胸に響いて、そこから、躊躇なく笑えるようになりました」

俳優歴は10年以上。昨年話題を呼んだフジ系の「silent」で兄思いの女性を好演し、一気に知名度を上げた。今季はテレビ朝日系の「家政夫のミタゾノ」にも出演した。2作品を掛け持つ売れっ子俳優を癒やしてくれるのは、帰宅すると取れるのではないかと思うぐらい尻尾を振りながら出迎えてくれる愛犬だ。

「その姿を見ると、一日の疲れが吹き飛びます。心から『ありがとう』という気持ちになりますね。本当に癒やしとなる存在です」と目を細めた。

さくらだ・ひより>平成14年、千葉県出身。幼少期から芸能活動を始め、ドラマ「明日、ママがいない」(日本テレビ系)、「卒業タイムリミット」(NHK)、「silent」(フジテレビ系)などに出演。

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