中国で急死した李克強前首相の告別式が2日、共産党幹部らが埋葬される北京の「八宝山革命公墓」の式場で行われ、習近平国家主席ら最高指導部のメンバーが列席した。新華社電が伝えた。李氏の遺体は同日火葬され、中国各地で追悼の半旗が掲げられた。中国当局は習氏と確執があったとされる李氏を市民が追悼する動きが体制批判につながることへ警戒を強めた。
北京の天安門広場などでも中国国旗の半旗が掲げられた。北京の日本大使館や上海、広東省広州の日本総領事館も日の丸の半旗を掲げ弔意を示した。李氏の故郷の安徽省合肥では多くの人が花束をささげた。八宝山革命公墓の付近では2日朝、市民が涙を流す様子も見られた。
李氏は上海で10月27日に68歳で死去。今年3月に首相を退いてからわずか7カ月後の死去に衝撃が広がり、政治的闘争が死去の背景にあるとの臆測も飛び交った。
あふれる花束
「人々を照らし、ぬくもりを与えてくれた。永遠に忘れない」。李氏が幼少期を過ごした安徽省合肥の住宅。取り囲むように数え切れない白や黄色の花が約2メートルの高さまで積み重なり「人民の首相」をしのぶメッセージカードが並ぶ。先月27日の逝去以降、この住宅や同省にあるゆかりの地にはひっきりなしに人々が訪れ、哀悼をささげた。
2日も早朝から花束を抱えた市民が列をなし、手で涙を拭う人も。だが住宅に続く道路では青色のベストを着用した大勢の交通整理役のボランティアが「前に進め」と声を張り上げ、立ち止まらないよう求めた。
ボランティアは写真や動画を撮影している人を監視し、追悼の言葉を語っていた高齢男性を6~7人で取り囲み現場から排除。「なぜ規制するのか」と反発する市民と言い争いになる光景も見られた。(共同)