小型レーダー衛星、米で打ち上げ 大きさ46センチの物体見分ける 九州の宇宙ベンチャー

ファルコン9ロケット先端部の中央付近に搭載され、黒い円盤が特徴的なQPS研究所の「アマテル3」(米スペースX社提供)
ファルコン9ロケット先端部の中央付近に搭載され、黒い円盤が特徴的なQPS研究所の「アマテル3」(米スペースX社提供)

宇宙ベンチャー企業「QPS研究所」(福岡市)が開発した小型レーダー衛星「アマテル3」が日本時間13日早朝、米カリフォルニア州からスペースX社のファルコン9ロケットで打ち上げられた。高度約500キロの地球周回軌道に投入される予定。小型レーダー衛星は日本が強みを持つ技術で、低コストで天候や時間に左右されずに地上を観測でき、経済や防災、安全保障面などでの活用が期待されている。

同社の小型レーダー衛星は今回が3基目。経費は打ち上げ費を含めて10億円未満とみられる。同社は2020年代後半までに、地上のどこでも10分に1回程度の頻度で観測できる36基体制の構築を目指す。昨年10月にも2基を打ち上げる予定だったが、搭載した国産小型ロケット「イプシロン」6号機が失敗していた。

QPS研究所の小型レーダー衛星を搭載して米カリフォルニア州から打ち上げられたスペースX社のファルコン9ロケット(動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」より)
QPS研究所の小型レーダー衛星を搭載して米カリフォルニア州から打ち上げられたスペースX社のファルコン9ロケット(動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」より)

アマテル3は機体の重さが百数十キログラムで、軌道上で展開した円形レーダーの直径は3・6メートル。地上にある物体は大きさが46センチ以上なら見分けられるという。

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