昨年4月に死去したジャーナリストで評論家の立花隆さんの5万冊を超える蔵書が、立花さんの遺志で古書店に譲渡されたことが11日分かった。妹で秘書だった菊入直代さん(77)に「『立花隆が持っていた本が欲しい人』でなく、本の内容そのものに興味がある人の手に渡るようにしてほしい」と言い残していた。
自身の名を冠した「文庫や記念館などの設立は絶対にしてほしくない」と厳命していたという。
「ネコビル」と呼ばれた東京都文京区の事務所は部屋と階段の壁面にびっしりと書棚が並んでいた。さらに周辺や大学に部屋を借り、書籍を保管していたこともあったという。蔵書を引き取った古書店は「単行本だけで約5万冊。新聞、雑誌、冊子などを合わせると膨大な点数になる」と話す。