江崎グリコ新旧社長が会見 値上げに見合う品質向上を

江崎グリコの江崎悦朗新社長(左)と江崎勝久新会長=24日、大阪市西淀川区(南雲都撮影)
江崎グリコの江崎悦朗新社長(左)と江崎勝久新会長=24日、大阪市西淀川区(南雲都撮影)

江崎グリコは24日、江崎悦朗専務執行役員(49)が同日の定時株主総会後の取締役会で新社長に就任したと発表した。悦朗氏は前社長の勝久氏(80)の長男で、創業者の利一(りいち)氏のひ孫。勝久氏と並んで記者会見した悦朗氏は「タイミングを(勝久氏と)互いに考え、(2月に迎えた)創立100周年が一つの区切りではないかと引き受ける決意をした」と交代理由を説明した。

代表権のある会長に就いた勝久氏は「長きにわたり社長を務められたのも、ひとえにお客さまや取引先、関係するすべての方々のおかげ」と約40年間にわたる社長業を振り返った。

経営企画や海外事業部門の責任者を務めてきた悦朗氏については「グループの事業拡大に向けてリーダーシップを発揮し、変革を推し進めてきた」とし、「社長就任を契機に、さらに新たな気持ちで世界中のお客さまに貢献できるよう仕事に取り組んでくれると考えている」と期待を寄せた。

会見する江崎グリコの江崎悦朗新社長(左)と江崎勝久新会長=24日、大阪市西淀川区(南雲都撮影)
会見する江崎グリコの江崎悦朗新社長(左)と江崎勝久新会長=24日、大阪市西淀川区(南雲都撮影)

一方、悦朗氏は「海外事業が伸びている一方で、国内事業は客観的に見ても落ちている」と主力の菓子事業が苦戦している現状を説明。「想定していなかった環境変化にも柔軟に対応できる力を強化したい」と課題を挙げた。

ウクライナ情勢の緊迫化などを受けた原油や原材料高については、商品の値上げが避けられないとの見通しを示したうえで「品質低下になるようなコストダウンはせず、どのようにして価値を上げるかだ」と値上げに見合う品質の向上に注力する考えを示した。

江崎悦朗氏(えざき・えつろう)慶大卒。平成16年江崎グリコ。24年4月から取締役専務執行役員、28年6月から代表取締役専務執行役員、29年10月からシンガポール子会社「グリコアジアパシフィック」の最高経営責任者(CEO)。兵庫県出身。

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