話の肖像画

真矢ミキ(18)流れに身を任せ「サクラ婚」

西島千博(当時)さんと結婚。サクラが満開の明治神宮で式を挙げた=平成21年4月
西島千博(当時)さんと結婚。サクラが満開の明治神宮で式を挙げた=平成21年4月

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《平成20年、44歳でバレエダンサー、西島数博(当時は千博=かずひろ)さんとの婚約を発表した》


西島さんとは14年の舞台「スターダスト in 上海」で出会いました。ただその前、テレビ番組で私はたまたま彼を見ていて、「初対面の司会の方にも、えらくフレンドリーで笑顔が多く、海外の人みたいだな」と、いい印象は抱いていました。その後、彼は多感な10代からフランスにバレエ留学していたと聞き、納得したものです。

私は40歳過ぎまで独身でしたから正直、結婚しても、しなくてもいい、というか〝おひとりさま〟をそれなりにエンジョイしていました。父の死後、仕事がものすごく忙しくなって、毎日が飛ぶように過ぎていました。母も東京に呼び、腰を落ち着けて働くため、当時、家の内装を一新しましたが、母が「寝室は東南にしたら結婚運が上がるって…」なんてテレビでかじった情報で、余計なことを言ってきます。「結婚なんてしないって」と言いつつもその通りにしたら、急に結婚話が調い、その家を出ることになった。先のことは分からないものです。


《西島さんは8歳年下。海外のバレエコンクールで入賞し、出会った当時、スターダンサーズ・バレエ団のプリンシパル(最高位ダンサー)として活躍していた》


共演後はずっと友人関係だったのですが、共通の友人だった女優、岡江久美子さんとの会合で一緒になる機会が多く、岡江さんから「あなたたち、結婚しちゃえばいいのに」って、しょっちゅう言われていました。2人とも岡江さんに、すごくかわいがっていただいたんです。それが自然と私たちの頭に入って、結婚に至ったかもしれないと最近、思います。でも岡江さん、いざ西島さんとの結婚を報告したら、開口一番、「ズルいよー」っておっしゃった(笑)。その後、誰よりも笑顔で祝福してくださいましたね。

《西島さんからのプロポーズは庶民的な鉄板焼屋で受けた》


完全に「勢い婚」です。彼がプロポーズしてくれたときも、最初、野菜を炒めている音で私は聞き逃しまして、何ともう一度、言わせてしまいました。

さまざまなタイミングやお互いの状況がうまく合っていたんでしょうね。なので私も自然な流れに身を任せ、即、結婚に至ったのだと思います。


《翌21年4月4日、真矢さんの両親と同じく、東京・明治神宮で式を挙げた》


この年の春、強い雨が続き「サクラも散るね」と話していましたが、結婚式では見事に満開で、報道各社が「サクラ婚」と書いてくださって、とてもうれしかったのを覚えています。

私たちは友達から発展した夫婦なので、結婚後もお互いの友人たちを大切にしています。忙しい分、2人だけの時間も意識して作っています。結婚してからの方が、自立心が強くなりました(笑)。お互い、「仕事を大切にしたい」という共通項でも結ばれているので、最良の理解者を得た感じです。


《むしろ結婚後、夫への感謝の気持ちが深まったと話す》


西島さんは老若男女、誰に対しても垣根のない、人生そのものがバリアフリーのような人なんです。結婚後、スープの冷めない距離に住むようになった私の母にも、「ママ、今日は僕とデートしよう」などと単独でも誘い出してくれ、2人で出かけてくれていたり。結婚て大変なこともあるけれど、家族が増えるって温かいものだなって、しみじみと思いました。(聞き手 飯塚友子)

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