脱炭素実現の大きな鍵となる電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など電動車向けの車載電池をめぐる自動車メーカーの競争が激化している。日系メーカーでは、トヨタ自動車が2030年までに電池の開発・生産に計1兆5000億円を投資すると表明した。ホンダ、日産自動車も中国系の車載電池大手との連携を深め、電池の確保に努める。海外メーカーでは、電池に欠かせないレアメタル(希少金属)採掘権益の確保を進める動きまであり、日系メーカーがどう対抗していくのか注目される。
9月7~12日に開かれた独ミュンヘン国際自動車ショー。独フォルクスワーゲン(VW)の小型EVのコンセプト車「ID.ライフ」や独メルセデス・ベンツの新型EVセダン「EQE」など、欧州メーカーのEVが相次いで披露された。
脱炭素に向けて、欧州連合(EU)は35年にHVを含むガソリン車の新車販売を事実上禁止する方針を表明した。これに呼応するかのように、会場では急速化するEVシフトの動きが鮮明となった。