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80年ぶりに「承久記絵巻」発見 来春京都で公開

【動画】80年ぶりに「承久記絵巻」発見 来春京都で公開
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 鎌倉時代の承久3(1221)年に公家と武士の間で起きた承久の乱を描いた唯一の絵巻ながら、約80年もの間、所在不明となっていた「承久記絵巻」全6巻が見つかったと、京都府京都文化博物館(京都市)が26日発表した。来年は承久の乱から800年の節目で、同館は来年4月6日~5月23日に絵巻を展示する。

 絵巻は和歌山・高野山の龍光院が所蔵し平家物語などと並ぶ4大合戦絵巻とされていたが、昭和14年に現在の京都国立博物館で展示されたのを最後に、所在不明となっていた。

 約1年前、個人が所蔵するとの情報があり、府京都文化博物館が調べたところ、箱に記された墨書や、巻物の内容から承久記絵巻と確認された。

 絵巻はいずれも幅約0・5メートル、長さ約15メートル。後鳥羽上皇と幕府間で争った承久の乱を中心に、幕府執権・北条義時追討の院宣発給、敗れた後鳥羽上皇の御所退出など全36場面で構成される。

 絵は室町時代の土佐光信筆とされてきたが、今回の調査で、作者不明ながら江戸時代前期に描かれた可能性が高いことが判明した。

 鑑定した長村祥知学芸員は「軍記物の絵巻物でも特に研究が進んでいなかったものだけに、発見を機に絵巻物だけでなく乱そのものの研究の活性化につながれば」と話している。

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