懐かしの「少年ケニヤ」 出雲で絵物語作家・山川惣治の作品展

懐かしの「少年ケニヤ」 出雲で絵物語作家・山川惣治の作品展
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 ■劇画の原点、新聞連載でブーム 人気漫画「あしたのジョー」に影響作品も

 昭和26年から4年間、産経新聞で連載されブームとなった絵物語「少年ケニヤ」の作者で、後の大ヒット漫画「あしたのジョー」や「巨人の星」など劇画の世界にも影響を与えた山川惣治(1908~1992年)の作品展が、島根県出雲市平田町の平田本陣記念館で開かれている。6月9日まで。

 昭和20年代に紙芝居作家だった山川は、紙芝居の絵(表面)と説明分(裏面)を雑誌の同じ紙面に並べる「絵物語」という独自の手法を確立。当時、主流だった「小説にさし絵」などと比べ、絵物語は紙面の半分を絵が占めるため、子供たちにもわかりやすく、たちまち人気となった。

 特に「少年王者」は山川を一躍有名にする代表作で昭和22年、集英社から単行本が発売されると爆発的なヒットとなった。当時はまだ小さな出版社だった同社を大きく成長させ、平成9年に刊行された「集英社70年の歴史」の中でも功績が紹介されている。

 昭和26年に始まった産経新聞の連載「少年ケニヤ」も、週1だった掲載が毎日の連載になるほどの人気を集めた。戦時中、アフリカ・ケニアのジャングルで父親とはぐれた少年が、冒険を続けながら父親との再会を目指すストーリーで、連載後も漫画家によるリメイク版が出版されたり、テレビや映画化されたりした。

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