高橋洋一が斬る

(下)「恐竜番付」上位の佐川氏をノンキャリが恐れた?!

 財務省では部下が恐れる上司について、入省各期から2、3人を選んだ「恐竜番付」と呼ばれる怪文書が出回ることがあります。佐川氏は平成17年版で「東前頭4枚目」に名前があります。ちなみに東前頭筆頭は財務省出身の片山さつき参院議員で、財務省通なら納得感のある番付ですよ。

 そんな佐川氏が答弁後に決裁文書を読んで、「こんな文書があるのか」「書きすぎではないか」と驚いたり怒った姿を見れば、下にいるノンキャリアの課長補佐らが震え上がり、近畿財務局に改竄(かいざん)を指示することはありえます。

 改竄内容は、主に文言の削除や、交渉の経緯をまるごと抜き取っていたというものでした。書き換えるより「抜く」ことは罪悪感が少なかったかもしれない。問題が浮上する以前にも同様の改竄があったことが発覚しており、常態化していた可能性もあります。

 改竄を当時の事務次官や主計局長、主税局長、官房長らが佐川氏から聞いて知っていたかは闇の中です。

 国土交通省は今月5日、改竄前の可能性がある決裁文書があることを杉田和博官房副長官と財務省に報告しました。財務省の矢野康治官房長は福田淳一事務次官や麻生太郎副総理兼財務相に報告していなかったという。これは重大な問題です。

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