ステージ 芸

文楽人形遣い・吉田幸助、五代目吉田玉助襲名へ スケール大きな芸風を継承

【ステージ 芸】文楽人形遣い・吉田幸助、五代目吉田玉助襲名へ スケール大きな芸風を継承
【ステージ 芸】文楽人形遣い・吉田幸助、五代目吉田玉助襲名へ スケール大きな芸風を継承
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 4月、戦後を代表する人形遣いだった祖父、三代目吉田玉助(たますけ)の名跡を、五代目として襲名する。

 「まだまだ若輩者ですが、玉助という名前を知ってもらえるよう、また、自分が人形遣いとしての生を全うした後、天国の祖父に『よくやった』と言ってもらえるよう、精進していきたいと思っています」

 大阪市内で行われた襲名発表の会見。緊張しながらもきりっとした表情で襲名への抱負を述べた。

 長身、精悍(せいかん)な風貌は舞台で映える。人形遣いの家の三代目に生まれ、父の二代目玉幸(たまこう)に入門。豪快な立役(たちやく)(男役)遣いだった祖父、父の芸風を受け継ぎ、早くから将来を嘱望されてきた。

 かつて、人形遣いの人間国宝、吉田文雀(ぶんじゃく)から、「おじいさんは肝の据わった大きな芸ですごかった」と教えてもらったことがある。

 「だからこそ祖父の名前をもう一度世に出したい。スケールの大きな芸風をなんとか継承できれば」

 子供の頃からロボットで「人形遣いごっこ」をするほど人形遣いに憧れていた。念願かなって父に入門。だが修業は厳しく父は息子に容赦しなかった。手が飛んでくることもあったという。それでもやめたいと思ったことはない。

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