CMを見ていると、ピンク色の服を着た宮崎あおいの後ろでフラミンゴの群れが一本足で立っていた。鮮やかなフラミンゴの立ち振る舞いはまるで幻想の生き物のようだ。フラミンゴは見ているだけでパッと気分が華やぐというか、現実から離れたリゾート感が漂っている気がする。
そんなことを思う筆者なので、動物園でフラミンゴを見ることができるとテンションがあがり、やたらたくさん写真を撮ってしまうのだが、最近ふと、フラミンゴの体がなぜあのような色をしているのか、その理由について自分がまったく知らないことに気が付いた。
ピンク色の秘密は「カロチノイド系色素」にあり
そこで今回は「名古屋市東山動植物園」のスタッフ、東山総合公園管理課の太田耕治さんにフラミンゴがピンク色である理由について伺ってみた(ちなみに鳥インフルエンザの影響により、現在残念ながら東山動植物園でのフラミンゴの観覧は中止になっている)。
「フラミンゴが食べる藻類や無脊椎動物に含まれる『カロチノイド系色素』が羽に蓄積してピンク色になります。生まれたばかりのフラミンゴのヒナは灰色をしており、完全にピンク色になるまではディスプレイ(求愛行動)と繁殖はしないようです」(太田さん)
なるほど、ピンク色になることでようやく求愛、繁殖が行われるということなのか。あの色になってようやく一人前のフラミンゴとして認められるのだ。動物園でフラミンゴを飼育するにあたり、羽のピンク色を維持するためにはどんな配慮をしているのだろうか。
「ピンク色を維持するために『カロチノイド系色素』を取り入れ続けないといけません。したがって、動物園では合成色素の『カタンキサンチン』と『カロチノイド』を含んでいる『オキアミ』や『アミエビ』をエサとして与えています」(太田さん)