原発再稼働

高浜、伊方に続いて再稼働するのはどの原発なのか…沸騰水型(BWR)にはなお高き壁 廃炉選ぶ事業者も…

 東京電力福島第1原発事故からまもなく5年を迎えるが、原発の再稼働を果たしたのは九州電力川内原発(鹿児島県)の2基だけだ。国内に原発は43基あるが、単純に基数で割ると稼働率は5%に満たない。今年は関西電力高浜3、4号機(福井県)と伊方3号機(愛媛県)の再稼働が予定されているが、その次はどこになるのか。原子力規制委員会による新規制基準適合性審査が一向に進まないためで、時間切れで「廃炉」を選択する原発が出てくる可能性もある。(原子力取材班)

高浜が2番目になるか

 いま最もほっと胸をなで下ろしているのは、関西電力かもしれない。

 27年12月24日、福井地裁が関電高浜について4月の運転禁止決定を覆し、再稼働を認めたからだ。そもそも4月の決定は、原発の基礎知識すら欠いていた異質な裁判官が担当していたから、逆転裁判は当然だったともいえる。

 関電は早速、決定翌日から燃料の装荷を始め、地元同意も得られているため、早ければ今年1月28日にも再稼働を果たす。再稼働は、川内に続く2原発目となる。

 伊方3号機も地元同意がすでに得られているが、機器や設備の詳しい設計などを記した「工事計画」や、運転体制などを定めた「保安規定」の審査が残っており、年度内に再稼働ができるかが勝負だ。

会員限定記事会員サービス詳細