花紀京さん死去

「私の失敗を大きく受け止めてくださった」 新喜劇のマドンナ・未知やすえさん

取材に応じる未知やすえ(右)と内場勝則(左)=大阪市内の式場(撮影・二星昭子)
取材に応じる未知やすえ(右)と内場勝則(左)=大阪市内の式場(撮影・二星昭子)

 6日夜、大阪市内で営まれた喜劇俳優の花紀京さんの通夜に、夫の内場勝則さんとともに参列した吉本新喜劇のマドンナ、未知やすえさんのコメントは次の通り。

     ◇

 本当に私、よく怒られたんです。舞台で失敗することが多くて、ひっくり返ったことがあるんですけど、そのときにお客さんはものすごくウケるんですけど、自分の中では「やってしまった! また花紀師匠にまた怒られるわ」と思って、終わってから謝りに行くと、「これが毎日、自然にできたら、お前は天才やねんけどな」という言葉をいただいたことがありました。いろんな意味で後輩の失敗を大きく受け止めてくださる、すてきな師匠でした。

 初めて花紀師匠と岡(八朗)師匠と共演させてもらったときに、緊張のあまり全部せりふが飛んでしまって、どうしようと思ったとき、何を考えたか舞台の上で大泣きしたんです。

 そのときも、まわりの先輩方は(花紀さんに)「絶対辞めろ」と怒鳴られると思ってたし、私も「もうこれで新喜劇やめなアカン」と思ってたけど、すぐに謝りに行くと、花紀師匠が私の頭をポンポンとしてくださって、「お前のせりふは誰も取れへんから、しっかりしゃべれよ」と言ってくださった。

 あの言葉がなかったら、あそこで怒られていたら、私は新喜劇に残っていないと思います。私生活でも本当にかわいがってもらいました。

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