世界各地の古代文化を捉えた並河萬里氏の写真=松江市山代町、ガイダンス山代の郷
世界各地の古代文化を捉えた並河萬里氏の写真=松江市山代町、ガイダンス山代の郷

 世界を旅し、歴史的遺産を写した写真家の故・並河萬里氏の作品展が、松江市山代町の「ガイダンス山代の郷」で始まった。世界各地で花開いた古代文化の所産を楽しめる27点が並ぶ。8月23日まで。

 並河氏は半世紀にわたって世界46カ国で写真を撮り、各地の文化や風土を記録に残した。会場では主に、メキシコやグアテマラで栄えたマヤ文明と、古代の通商路・シルクロードを舞台にした写真に焦点を当てる。

 マヤ文明を扱った作品からは、高さ51メートルで神殿入り口にジャガーの彫刻を備える「ティカル遺跡 1号神殿」や、デスマスクとして作られ貝と黒曜石で目をかたどった「ヒスイの面」などを展示。古代技術の水準の高さをうかがわせる。

 シルクロードの国々では、6世紀に造られたアフガニスタンの「バーミヤン石窟 西大仏」があり、2001年に破壊されて現存しない貴重な姿が見られる。

 山代の郷の松宮加奈学芸員は「世界旅行ができない今、写真で海外旅行をした気分になってもらえるとうれしい」と話す。

 入館無料。開館は午前9時~午後4時半。火曜休館。 (佐貫公哉)