斐伊川河口近くで今季初飛来が確認されたマガン=出雲市島村町(公益財団法人ホシザキグリーン財団提供)
斐伊川河口近くで今季初飛来が確認されたマガン=出雲市島村町(公益財団法人ホシザキグリーン財団提供)

 出雲市の斐伊川河口近くの水田で9月30日朝、国の天然記念物・マガンの今季初飛来が確認された。昨季よりも1日遅く、これから数千羽が飛来し、越冬するとみられる。

 午前6時15分ごろ、ホシザキグリーン財団(出雲市園町)の職員が、斐伊川右岸にある島村町の水田で5羽を確認。成長2羽、幼鳥3羽で、時折周囲を警戒した様子で、休んだり、餌をついばんだりし、北東に飛んでいったという。

 マガンはユーラシア大陸やグリーンランドの北部、北米が繁殖地で、財団によると例年9月下旬から10上旬に飛来し始め、翌年3月に北帰行する。近年は2千~3千羽が飛来し、昨季は1月15日に最多の2984羽を確認した。財団の普及啓発課の田中弥空さん(25)は「マガンが飛来する環境は貴重。姿を見つけた際は距離を保って観察したり、環境保全を考えたりする機会にしてほしい」と話した。
  (佐野卓矢)