木星=2022年8月7日、三瓶自然館サヒメルの天文台で撮影(さつえい)
木星=2022年8月7日、三瓶自然館サヒメルの天文台で撮影(さつえい)

横に流れるガスの模様

 太陽の周りには、水星(すいせい)、金星(きんせい)、地球、火星(かせい)、木星(もくせい)、土星(どせい)、天王星(てんのうせい)、海王星(かいおうせい)という八つの惑星(わくせい)が回っています。この中で一番大きいのが木星で、直径が地球の11倍あります。体積でいえば地球の1300倍以上あり、木星以外の七つの惑星の体積を合わせても、木星にはかないません。

 木星の見た目の特徴(とくちょう)は、しま模様(もよう)があることです。それには、木星の回転が関係しています。地球は24時間で1回転していますが、木星は地球よりはるかに大きいにもかかわらず、約10時間で1回転します。全体的にガスでできている木星は、この速い回転のために、横に少しふくらんでいるほどです。

 そして、その回転は、表面のガスに猛(もう)スピードの横向きの流れを引き起こして、しま模様を形作りました。厳密(げんみつ)には茶色の部分をしま、白い部分を帯(おび)といいます。しまと帯とでは、雲の高さや微妙(びみょう)な成分の違(ちが)いが色の違いとして表れており、それぞれ反対方向にガスが動いています。

 木星のしま模様は望遠鏡(ぼうえんきょう)を使うと見ることができます。小さな望遠鏡でも2本ほどの太いしまが分かりますが、大きな望遠鏡ならもっとたくさんのしまを見ることも可能(かのう)です。大型望遠鏡は各地の公開天文台などでのぞく機会があります。例えば三瓶(さんべ)自然館サヒメルの天文台では、毎週土曜日に天体観察会を開いています。

 木星は今、夜のはじめの東空に明るく輝(かがや)いていて、先に見ごろを迎(むか)えた土星とともに、この秋は見ごろとなっています。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)