九州発、世界に広めたい、後世に伝えたい、お国自慢のソウルフード。
今回は「米料理」をご紹介します。
米は主食として昔から私たちの生活の中心にあり、全国各地でさまざまなメニューが生み出されてきました。数ある米料理の中から、茶漬け、寿司、炊き込みごはんと手軽でご馳走感のあるメニューをご紹介します。



550年ほど前、戦に敗れ、唐津の島に逃れた大村藩主・大村純伊。しかし、その数年後、援軍を得て大村領を取り戻し、領民たちは喜んで戦勝軍を迎えたといわれています。彼らは帰還した将兵たちをなんとかもてなそうとしたものの、食器などの用意がなく、とりあえずもろぶた(木製の浅い箱)に酢飯や具材を広げた寿司を作って提供したのが「大村寿司」の起源。
これを将兵たちが脇差しで切って食べたので、「角寿司」とも言われています。今でも「大村寿司」はお祝いの席に欠かせない料理として地元で愛されています。



〈 教えてくれる先生 〉 佐藤和也さん
梅ヶ枝荘の味を守る5代目店主。「大村寿司」の美味しさを広げるべく、全国で開催されている物産展などにも積極的に参加している。


梅ヶ枝荘
江戸時代、大村藩の台所番として支えていた先代が明治27年、玖島城内に創業。茶屋として大村寿司やこしあんの梅ヶ枝焼などが味わえるほか、料亭として会席料理(3000円〜)なども提供している。
長崎県大村市久島1-36 大村公園内
TEL.0120-52-1389
営業時間.平日10:00〜16:00、土日祝10:00〜17:00(夜は2日前までに予約。〜21:00)
定休日.3〜6月無休、7〜2月水曜休
※営業情報については、通常営業時の内容です。
店舗によって臨時休業、営業時間短縮など変更の場合がございますので、ご利用の際は事前にご確認ください。


材料(4人前)



[酢飯]
米……2合
水……2合の目盛りよりやや少なめ
だし昆布……5cm角
【A】
米酢……80cc
砂糖……50g
塩……ひとつまみ

[中の具]
さば ……1/2身
ゴボウ ……1/4本
濃口醤油 ……大さじ2
砂糖 ……30g
ゴマ油 ……大さじ2
酢水 ……適量(酢:水=1:20)

[照り椎茸]
生椎茸 ……4個(干し椎茸でもよい)
濃口醤油 ……大さじ2
砂糖 ……30g
水 ……100cc

[錦糸卵]
卵 ……3個
砂糖 ……小さじ2
塩 ……ひとつまみ

いりゴマ ……適量
かまぼこ ……1/2本
絹さや(塩ゆで) ……4枚(3等分)


作り方


【1】
だし昆布を入れてご飯を炊く。炊き上がったら熱いうちに合わせておいた調味料【A】を加え、酢飯をつくる。


【2】
中の具をつくる。さばの骨をとり、グリルで焼く。焼き上がったら皮を外しておく。


【3】
ゴボウを斜めに切り、それを細切りにしてささがきをつくり、酢水につけておく。熱したフライパンにゴマ油を入れ、水切りしたゴボウを炒め、濃口醤油と砂糖で調味。さばの身を加えて木ベラでほぐしながら混ぜる。バットに移して、粗熱をとっておく。



【4】
照り椎茸をつくる。生椎茸を薄切りにし、濃口醤油・砂糖・水を加えて軽く煮る。


【5】
錦糸卵をつくる。卵を溶いて砂糖と塩を加え、一度濾す。卵焼き器で薄く焼き、糸状に細かく刻む。



【6】
1L程度の浅めの容器に、ラップがくっつかないよう霧吹きで水をかけ、長めにラップを敷く。半量の酢飯を広げ、【3】の具材を広げる。その上に残りの酢飯を広げる。


【7】
平にならして、いりゴマをかけ、【4】と切ったかまぼこを均等に広げる。かまぼこは飾り用にもとっておく。


【8】
錦糸卵を広げ、はみ出したラップで覆い、容器の蓋をして5〜10分程度置く。



【9】
ラップを持って容器から寿司を引き抜き、残りのかまぼこと軽く塩ゆでした絹さやを並べ、切り分ける。






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