「没後50年記念 一ノ瀬泰造展」のポスター

 武雄市出身の戦場カメラマン一ノ瀬泰造(1947~73年)の没後50年を記念した企画展が、7月1日から市図書館・歴史資料館で開かれる。ベトナム、カンボジアなどの戦場で撮影した写真のほか、カメラやヘルメットなどの遺品も展示する。観覧無料。会期は前・後期合わせて8月20日まで。

 前期(7月1~23日)と後期(7月29日~8月20日)で65点を展示する。UPI通信で月間最優秀作品賞に選ばれた「サイゴン南西45マイル」など戦地の様子や、銃後の人々の生活を伝える作品もある。戦災孤児を写したカラー写真7点も展示する。

 一ノ瀬は72年からバングラデシュ、ベトナム、カンボジアなど東南アジアの激戦地を取材した。73年11月、カンボジアでポル・ポト率いるクメール・ルージュの支配下にあったアンコール・ワットに単身潜行したが、その後消息を絶った。82年、現地に渡った両親によって遺体が確認された。

 市図書館・歴史資料館は「73年11月に捕らえられ、すぐに処刑されたとされる。泰造さんが命を賭けて伝えようとしたものは何なのか、没後50年を機に考えてほしい」としている。7月1、15日と8月6、12日のいずれも午後2時から、学芸員によるギャラリートークがある。

 時間は日曜から木曜は午前9時~午後5時、金・土曜は午後6時まで。問い合わせは同資料館、電話0954(28)9105。(澤登滋)