「おいしいものは人をつなぐ」という思いでスタートしたイベント店舗(てんぽ)「kitchenQ(キッチンキュー)」。先輩(せんぱい)方の活動を礎(いしずえ)に2019年に学内で立ち上げたプロジェクトで、今年5年目に入ります。はじめは生徒の特技(とくぎ)や個性(こせい)を生かし学内で仲間と楽しむ活動でしたが、食を通して人に喜んでいただきながら日頃(ひごろ)授業(じゅぎょう)で学ぶ商業実務(じつむ)の実践(じっせん)を行う活動に発展(はってん)していきました。21年度からは、県内の企業(きぎょう)に協力いただき独自(どくじ)の商品を開発しています。

企業と協力、独自商品開発

写真を拡大 kitchenQの出張喫茶=佐賀市の76pain

 佐賀市(さがし)内の焙煎(ばいせん)士監修(かんしゅう)のもとで完成させたオリジナルブレンドコーヒー『No.959』『新世界』を引(ひ)っ提(さ)げ、この3月、市内のパン屋「76pain」で出張(しゅっちょう)喫茶(きっさ)を行いました。若者(わかもの)を応援(おうえん)したい地元佐賀(さが)のアツい大人のバトンリレーに支(ささ)えられながら活動が広がっています。
 出張喫茶は昨年度も先輩方が企画(きかく)しており、伝統(でんとう)的な学校文化を引(ひ)き継(つ)ぎながら九国の面白(おもしろ)さを広めたいと考え、今年も先生と一緒(いっしょ)に計画しました。当日は、ハンドドリップコーヒーと水出しコーヒーを提供(ていきょう)し、76painさんのいつものパンに加え、当日限定(げんてい)のコラボパンも販売(はんばい)しました。接客(せっきゃく)では、清潔(せいけつ)感を保(たも)ち店の雰囲気(ふんいき)を崩(くず)さないことと、お客さまの心に届(とど)くあいさつすることを心掛(こころが)けました。コーヒーを手渡(てわた)すときには、オリジナルブレンドのこだわりポイントも伝えました。

写真を拡大 オリジナルブレンドを考えるワークショップ=佐賀市の九州国際高等学園


 販売後には、お金をいただいて商品を提供する重みとお客さまの「おいしい!」の言葉に大きな充実(じゅうじつ)感を覚えました。今回の経験(けいけん)からさまざまな接客方法を学びました。今後はもっと大きなイベントに学校の仲間と出店してみたいと思います。多様な個性の人がチームを組むことは大きな力になることを実感しています。
 『ごっこ』で終わらせない本物の体験を通して学校のブランドを高められるよう、これからも「社会という教室」で活動していきます。

■九州国際高等学園

高井滉希さん
庄島凜久さん