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2020年度4~12月企業業績/55.7%が減収「小売」は35.7%が増収

2021年04月20日 12:47 / 経営

帝国データバンクは4月19日、新型コロナウイルスによる企業業績への影響調査(2020年度4~12月期決算速報)の結果を発表した。

帝国データバンクの調査によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた倒産は、4月時点で1300件を超えた。特に、2020年12月以降は再び急増している。

<「減収」となった企業は構成比55.7%>
「減収」となった企業は構成比55.7%

2020年4~12月期までの企業業績は、全産業(金融・保険を除く)の対象約5万4500社のうち「減収」となった企業が構成比55.7%で最も多かった。前年同時期(38.1%)に比べ17.6pt増加した。

業種別でみると、減収企業の割合は製造が7割に迫った。非製造では53.0%となり、2020年度の業績は業界によって異なる傾向がみられる。しかし、全産業における前年からの売上高伸び率平均は1.4%のプラスとなり、前年度より鈍化したものの引き続き増加を維持した。

<小売は35.7%が増収>
小売は35.7%が増収

小売は35.7%が「増収」、10%未満の減収26.6%、10~30%の減収31.9%、30%以上の減収5.5%だった。

業種別に前年からの売上高増減率平均をみると、前年から売上高の伸び率が最も高い業種は「電気通信・郵便」で、平均26.0%のプラス。光通信回線の販売やプロバイダ事業を中心に、巣ごもりやテレワークの普及を背景に固定通信サービス需要が増加し、売り上げが伸長したという。

「教育」(前年同期比11.4%増)は、主に社会人向けの講座や技能実習の受講者数増加が寄与した。

「スーパーストア」(各種商品小売、9.6%増)は、巣ごもり需要の増加で家庭向け食品の販売などが好調だった。

他方で、最も売上高が落ち込んだのは「貴金属製品卸」(17.1%減)。国内景気の急減速を受けた高額ジュエリー需要の減退、百貨店の休業などで主力の催事販売が行えないことなどが響いた。

「皮革製品製造」(12.9%減)は、在宅勤務の普及などでビジカジ需要が振るわず、革靴などのシューズや高単価な革製バッグなどの需要が伸び悩んだ。「飲食店」(11.3%減)、「宿泊業」(9.6%減)なども需要の大幅減に見舞われたことから、それぞれ平均で1割近い落ち込みとなった。

さらに、企業が持つ現預金の余力を示す「現預金手持日数」は全産業で平均96日分となり、前年の75日分に比べて約3週間分増加した。帝国データバンクでは「新型コロナウイルスによる国内景気悪化の長期化に備え、手元資金の確保に向けた動きが表れた」と見ている。

今回の調査は、保有する企業財務データベース「COSMOS1」を利用し、2020年度4~12月期の決算企業約5万4500社(金融・保険を除く)の業績情報から、速報版として2020年度最新の企業収益や財務状況の傾向についてとりまとめたもの(各平均値は上下0.1%のトリム平均値を用いている)。

■問い合わせ先
帝国データバンク
データソリューション企画部 情報統括課
TEL:03-5775-3073 
FAX:03-5775-3169

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