高層マンションってどんなマンション?魅力や、住むうえでの注意点も併せてご紹介!

高層マンションってどんなマンションのこと?

マンションは、「低層マンション」「高層マンション」「超高層マンション」など、高さによってさまざまな名称で呼び分けることがあります。マンションの名称の区分に明確な定義はないものの、建築基準法や消防法の基準をもとにした、上記のような呼称が用いられることも、今日では一般的となっています。

「高層マンション」というと、高さ31m(おおよそ10階)を超えるものを指すことが一般的です。また、高層マンションよりもさらに大規模であり、高さ60mを超えるものを特に「超高層マンション」「タワーマンション」と呼びます。

マンションの名称の区分を定義するような法律は実際にはないにもかかわらず、上記のように呼び分けるのはなぜでしょうか?

その理由として、消防法で、高さ31mを超える建築物を高層建築物と定義していることが挙げられます。一般的に高い建物であるほど、地震や火災に対して強い性能が求められ、建築基準法や消防法では、規模が大きい建築物ほど、構造・材料などに求められる条件が厳しくなる傾向にあります。

高層マンションに実際に住んでみると、建物の性能に優れ、安全性が高いということ以外にも、複数のメリットが感じられます。

そこで本記事では、高層マンションの購入を検討する方に向けて、高層マンションの魅力と購入時に注意すべきポイントを詳しく解説していきます。

高層マンションに住むメリットとは?

高層マンションには、一戸建てや低層マンションにはないさまざまな魅力があります。具体的に見ていきましょう。

地震や火災に強い

高層マンションは、地震や火災に関しての安全性が高い建物といえます。その理由として建築基準法や消防法では、建築物の高さによって制限が厳しく、高さ31mを超えるいわゆる高層マンションを建設する際は、非常用エレベーターの設置や防炎性能のある防炎対象物品(カーテン等)の使用などが義務付けられていたり、建設材料に防火素材や火が移りにくい素材を使用した「耐火構造」が求められたりと、防災に対する厳しい基準をクリアする必要があるためです。

また、超高層マンションほどの規模では、地震や風による構造への負荷はとても大きくなるため、建物に求められる性能は高層マンションと同等か、もしくはそれ以上厳しいものとなっています。こういった点から、高層マンションは地震や火災に関しての安全性が高いといえるでしょう。

日当たりがよい

高層マンションのなかでも高層階の物件は、周りの建物によって日差しが遮られにくく、日当たりがよいというメリットがあります。日照時間が長くなることで、長時間明るく暖かい室内環境を保つことができますよ。一般的に日が当たりにくいとされている北向きの物件であっても、周りに日を遮るものがない高層マンションの場合、部屋の明るさに問題のないこともあります。

日当たりは実際に自分の目で確かめて判断することがおすすめです。気になる方は一度内覧に足を運んでみましょう。

眺望がよい

高層階の物件からは、ベランダや窓からの眺めがよいという魅力が挙げられます。高層マンションは視界を遮るものがないので、昼間は遠い山々や海などの美しい自然や、広大な青空を一望でき、夜は街を走る車のライトや街のネオンサインがきらきらと輝く景色を見ることができます。立地次第では有名な建築物が見える場合もあります。

共用施設やサービスが充実している

住戸数が多い高層マンションでは、設備やサービスが充実していることが多いのも魅力の1つです。たとえば、ラウンジやゲストルーム、パーティールームといった来客用のスペースがあるマンションや、ジムやキッズスペースのあるマンションなど、ホテルのような快適な共用スペースが備え付けられている場合もあります。

また、ここ数年で増えたテレワークがはかどる空間、たとえばコワーキングスペースや会議室などといった部屋が用意されているマンションもあります。これらの共用施設はマンションに暮らす人であれば誰でも利用できることがほとんどであるため、住民間での交流が生まれやすい場ともいえるでしょう。

また高層マンションの場合、ごみステーションに24時間好きなタイミングで捨てることができる場合があります。ごみ箱は、各階に設置されている場合も多く、ごみ捨てにかかる手間や時間を省くことができます。

コンシェルジュサービスがある物件の場合は、来客時の受付や案内、配送物の受け取り代行、タクシーやデリバリーの手配などといった、手厚いサポートを受けられます。

セキュリティが厳重である

防犯性の高さも、高層マンションのメリットの1つです。前述した管理人や、警備員が24時間常駐している「有人システム」を導入している物件もあります。

また、防犯カメラを完備していたり、エントランスやエレベーターに専用キーを導入していたりと、厳重な警備体制を敷いた物件が多くあります。最近では、ロックを解除した住人の後を付けて建物内部に侵入する「共連れ」ができないよう、エントランスだけでなくマンション内にも2重や3重のオートロックを導入する高層マンションも存在します。

虫が出にくい

高層マンションに住むことで虫との遭遇の確率を減らすことができるというメリットがあります。虫が飛べる高さには限界があるため、上層階になるほど虫は出にくくなるでしょう。上層階に住むことで、虫が苦手な人でも虫の心配をせずに窓を開けることができます。

利便性が高い

高層マンションは、駅近や、街の中心地など周辺環境がよい場所に再開発に伴って建てられている傾向にあります。付近に商業施設がある場合も多く、外食や買い物などに困ることがありません。

近年では、駅直結の高層マンションが建設されることもあります。駅直結のマンションであるならば、通勤や通学が楽になりますね。

物件人気が高い

高層マンションは中古物件においても人気があり、高い流動性を見込むことができます。これは、高層マンションのニーズが高いことに起因しています。ここまで挙げてきた、立地条件のよさ・共用施設の充実度に加え、高層階ならではの眺望など、複数のメリットを兼ね備えた物件であれば、たとえ中古物件でも一定の需要を見込めるため、建てられてから時間が経過したとしても、価格が下落しにくい傾向があります。

高層マンションに住む際の注意点とは?

魅力の多い高層マンションですが、生活に影響する注意点もあります。想定していなかった不利益を購入後に被ることがないよう、以下のポイントを押さえたうえで物件選びを進めていきましょう。

エレベーターが混雑する

高層マンションは、その特性上エレベーターでの移動が必須になります。また、住戸数が多いため、エレベーターの利用者が特に多い通学・通勤の時間帯は混雑することがあります。特に高層階では、「エレベーターが来るまでの待ち時間が長い」「各階に停止してなかなか下まで降りられない」といったことも想定されます。

上記のような問題で悩まないためには、高層マンションのなかでも階層別エレベーターが導入されているマンションや、エレベーターの設置数が多いマンションを選ぶようにしましょう。

地震や強風で揺れる

耐震性に関する条件をクリアしたマンションであっても、高層建築物であるという特性上、地震や風などの影響を受けて揺れやすく、高層階の住戸ほど、この傾向は強くなります。

物件選びの際は、建物の揺れを最小限に抑えられる構造を採用した、制震構造や免震構造の物件を選ぶようにしましょう。制震構造とは、制震装置を設置することで揺れを吸収する構造のことであり、免震構造とは、積層ゴムやダンパーを設置することで、地面の揺れが建物に伝わる前に逃がす構造のことです。

地上との気圧差

高層マンションは、特有の高さから地上との気圧の差を感じることがあります。気圧は、10m上がるごとに1hPa下がるので、高さ100mの部屋に住むと10hPa下がる計算になります。

この気圧差は、気候変化により日常的に起こるものと同程度であるため、過敏になるほどではありませんが、気圧の変化により体調を崩した経験のある人については、注意点となり得ます。気圧の変動が気になる方は、内覧を申込み、実際に確認してみましょう。

外に洗濯物を干せない

高層マンションには、そもそもベランダがない物件や、ベランダはあっても外に洗濯物を干すことを禁止している物件もあります。その理由としては、高層階になるにつれて風が強くなるため、洗濯物が飛ばされるリスクがあるためです。

上記のようにベランダで洗濯物を乾かすことができない物件については、浴室乾燥機や乾燥機能付洗濯機、もしくは衣類乾燥機を使う必要があります。この点に留意して物件選びを行うよう心がけましょう。

日差しが強過ぎることがある

高層マンションは、遮るものがないため日がよく当たる傾向があります。日当たりのよさは、先述の通り1つのメリットでもあるのですが、外気温の高い夏季には、さらに室温を高める要因となる点に注意が必要です。冬に内覧をする際は、夏場の室温を考慮して購入することをおすすめします。

また、日当たりは、部屋の向きが強く関係するため、方角を確認しておくようにしましょう。なお高層マンションの場合は、低層マンションや一戸建てだと人気の低い北向きの居室であっても、採光に問題がない場合もあるため、タワーマンションに限っては思い切って北向きの物件を購入するのも選択肢の1つとなり得ます。

自分に合ったマンションを選ぼう

高層マンションは利便性の高さや設備の充実など魅力が多くあります。マンションの施設自体も魅力的ですが、治安がよかったり、学校や病院などの公共施設や、スーパーマーケット・コンビニなどの商業施設が充実していたりするなど、周辺環境が整っていることが多いのもメリットの1つでしょう。

ただし、お伝えしてきたような注意点もあるため、物件選びの際に意識的にチェックして、後悔を残さない形で購入を進めてくださいね。

高層マンションといえば、東京都の湾岸エリア。都心部へのアクセスもよく商業施設も充実しているため、子育てしやすく、住みやすい、人気のエリアです。

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三上隆太郎

株式会社MKM 代表取締役
大手ハウスメーカーにて注文住宅の受注営業、家業の建設会社では職人として従事。個人向け不動産コンサルティング会社のコンサルタントやインスペクターを経験し中古+リノベーションのフランチャイズ展開、資格の予備校にて宅地建物取引業法専属講師など、不動産業界に幅広く従事。
https://mkm-escrow.com/