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ブラジルで増え続けるカピバラの恐るべき適応能力

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癒し系アニマルとして人気の高いカピバラ。日本では動物園や水族館でしか見ることはできないが、ブラジル原産のカピバラは南アメリカに多く生息している。その頭数は年々増え続け、草原や沼地、川などの自然のなかだけでなく、道路沿いや都市部にまで生息域を広げているようだ。サンパウロなどの大都市の公園や大学構内で、カピバラがのんびり芝生を食べている光景を見ることも珍しくない。

ではなぜカピバラはさまざまな場所で生きていけるのだろうか?
その答えは彼らの「食」の変化にある。カピバラはもともと草を主食にし、「カピバラ」という名前もトゥピ語(ブラジルのパラグアイに住む南米インディアンの部族語)で「草を食べる生き物」という意味だ。
しかし今のカピバラはそんなに草にこだわらず、ほかの植物も食べながら生き延びている。研究者たちはブラジルのあらゆる地域で暮らすカピバラ210頭の毛を採取し、毛に含まれる炭素同位体から何を食べているか調べた。
すると、農業地域に暮らすカピバラは人間が栽培したとうもろこしやサトウキビ、草などを食べており、ネズミとほぼ同じ食生活をしていた。一方、都市部やもともと草原だったのに木々に覆われてしまった地域で暮らすカピバラは、草の代わりに木やサボテンなどを食べていることがわかった。草と木の両方を食べるカピバラもいた。

このことから、カピバラがさまざまな地域で繁殖力を強めている理由はその柔軟な食生活にあると言える。そのゆるい見た目通り、強いこだわりやプライドを持たない。「草がなけりゃあ、ほかのもん食べとこ」という精神で食べられそうなものをかじってみる。新しい食べ物や環境への適応性は、都会のカラスに負けないくらい高い。

しかしこのままカピバラが増え続けると生態系に影響を与えかねない。農作物への被害も大きくなるため、何らかの頭数コントロールが必要になるだろう。癒し系のカピバラが害獣扱いされるのはかわいそうなので、うまく境界線を保ちながら、ゆくゆくは本来の生息地に引き戻すような対策が求められる。

関連URL: Capybaras thrive, even near humans, because they’re not picky eaters

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