いまさら聞けない新型コロナウイルス

はじめに

2019年12月に中国(武漢市)にて発生したとされる新型コロナウイルスは、中国国内にとどまらず、2020年2月になると世界中で感染が確認され、瞬く間に広がりました。これを受けて、世界保健機構(WHO)は2020年3月にパンデミック(爆発的な大流行)と認定いたしました。2022年3月時点では日本国内の累積感染者数は500万人を超え、WHOに報告されている全世界の累積感染者数は2億5000万人となりました。世界的な感染拡大の中、各国で感染対策およびワクチン、治療薬等の開発・普及が進んでいます。そのような中、新型コロナウイルスがどのようなものかを知ることで各人の対策に役立てていただければ幸いです。

(1) 新型コロナウイルスの症状

一般的にコロナウイルスは表面に突起があり、太陽のコロナのように見えることから名付けられました。主に呼吸器感染症(例えば風邪)を起こすことで知られています。症状は発熱や咳などが挙げられ、重症化する可能性があります。

感染の兆候・症状(一例)

嗅覚・味覚異常、
発熱、咳、下痢など。

(2) 新型コロナウイルスの感染経路

ウイルスは生物の細胞に侵入し、細胞の機能を利用して自身を複製し増殖していきます。ウイルスは生き残るために次々と宿主を変え増えていきます。ウイルスの感染経路は「飛沫感染」「空気感染」「接触感染」などが挙げられます。新型コロナウイルスについては「飛沫感染」「接触感染」と言われています。そのため咳やくしゃみによる飛沫を吸い込んだり、鼻水や唾などが付いた手で物を触ったりすると、それに接触した人が感染する可能性があります。

コロナウイルスの感染経路

飛沫感染、接触感染など。

(3) ウイルスの形を知る

ウイルスは、大きく分けるとエンベロープ型、ノンエンベローブ型に分別されます。エンベロープ型は、外側にエンベロープと呼ばれる脂質膜で覆われた構造を取ります。その脂質膜には分子認識の機能を持つスパイクタンパク質が埋め込まれており、その機能により人の細胞に入り込むことができる。更に、内膜にカプシドと呼ばれるたんぱく質を持ち、その中に遺伝子が包括された構造をとっており、代表例としてはインフルエンザウイルスやコロナウイルスが挙げられます。一方、ノンエンベロープ型は外側のエンベロープがなく、カプシドが最も外側に位置し、代表例としては、ノロウィルス、ロタウィルス、アデノウィルスなどが挙げられます。

エンベロープウイルス

インフルエンザウイルス香港A型
代表的なウイルス
インフルエンザウイルス、コロナウイルスなど

インフルエンザウイルス

ノンエンベロープウイルス

ノロウイルス
代表的なウイルス
ノロウイルス、アデノウイルスなど

ノロウイルス

写真提供 : 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所

(4) ウイルスへの温度・湿度の影響

現時点でははっきりしていません。しかし、インフルエンザウイルスなどは温度20℃、湿度50%であると生存しにくい(生物ではないけど)と言われていることから、加湿器などを用いて適切な湿度(50~60%)に保つことが効果的とされています。また、空気が乾燥すると喉の粘膜機能が弱り感染しやすくなると言われています。

(5) ウイルスへの対策

新型コロナウイルスはエンベロープ型のウイルスであることから、インフルエンザウイルスなどと同様にアルコールや石けんで良く手を洗うことが有効とされています。それはエンベロープの脂質膜はアルコールや石けん(界面活性剤)に弱いとされているためです。先に述べたように、コロナウイルスの感染経路は「飛沫感染」「接触感染」とされ、そのうち「接触感染」については手洗いの徹底が効果的とされています。また、マスクを着用することで喉を保湿でき、かつ自身や他者からの「飛沫感染」に効果的であるとされています。

ウイルスの対策

マスク着用、手洗い、加湿、
こまめな消毒、殺菌など。

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