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ガンダム史上最弱“ボール”をニューガンダム仕様に プロモデラー駆け出し時代の作品に反響「雑魚メカが愛おしい」

「ゲームソフトを買いに量販店へ行った時、模型コーナーにふらっと立ち寄り、『MGニューガンダムVer.ka』のカッコ良さに惹かれたことが“ガンプラ沼”への入口でした」と語るTONKAさん(@TONKA2225)。その後、腕を磨き、現在プロモデラーとして活躍中の同氏が先日、駆け出しのころに作ったという“ニューガンダム仕様のボール”をSNSに投稿したところ、1万件近いいいねを獲得した。ガンダム史上最弱のモビルスーツ(MS)と揶揄されるボールをなぜ、カスタムしたのか? 機体を見守るアムロ・レイとチェーン・アギは何を思うのか?

「ベテランモデラーさんたちに勝るには?」から発想したニュー×ボール

――駆け出しのころの作品「ニューガンダム仕様のボール」が1万件近い「いいね」を獲得しました。この反響をどのように受け止めていますか?
TONKAありがとうございます。作り手として、狙い通りに言って欲しいセリフやコメントを頂けたのはうれしいですね。そのなかでも、国外ユーザーの反応で「Nu Ball looooooooool」【※】というコメントがとても印象深かったですね。ネタ系ガンプラではありますが、国内外から多くの反応を頂きました。笑いって世界共通なんだとうれしく思います。
【※】日本の「w」と同様の、ネット上の「笑」の表現

――そもそも、本作はどのような経緯で誕生したのですか?
TONKAガンプラを本格的に作り出すキッカケになった『MGニューガンダムVer.ka』を、地元模型店のコンテストに出展しましたが、残念ながら入賞できませんでした。その時に、「ベテランモデラーさんたちに勝るには?」と思いついたのが、技量ではなくネタ枠でした。パロディ要素がある“シャア専用ボール”などは雑誌掲載で以前からあったので、そのバリエーションの1つとしてニューガンダム仕様を思い付きました。苦肉の策とも言えますね(笑)。

――なるほど。でも、数あるモビルスーツのなかからボールを選ばれたのは、なにか特別な思い入れがあったのですか?
TONKA「ボール=雑魚メカ」というのは、多くの方々がご存じだと思うんですけど、そんな立ち位置の存在が、当時駆け出しのモデラーだった自分に重なったのか、なぜか愛おしく思えたんですよね(笑)。「雑魚機体でもカスタム次第で立派に戦えるのではないだろうか?」と思ったのがコンセプトになります。今なら1ヵ月程で制作できますが、当時は5〜6ヵ月を要したと思います。

意味深に後ろ姿を見せるチェーン・アギとアムロ・レイは何を思っている?

――本作で一番苦労した点、一番こだわった点をそれぞれお教えください。
TONKAミキシングやドッグ建物などの工作も当時は初挑戦でしたので苦労しました。加えて、画像では止まって見えますが、実際には土台部分にターンテーブルを組み込んであり回転して360度ボールを見ることができるんです。市販のターンテーブルを解体し、小型化して組み込むのは、重量バランスなどの調整もあり苦労した部分です。またチェーン・アギのフィギュアが存在しなくてセイラ・マスから整形して作り替え、2人の目線の位置なども意識した注力したポイントでもあります。

――チェーン・アギ、アムロ・レイの存在が、意味深ですが、2人はどんな思いで“ニューボール”を見ているのでしょうか?
TONKA2人の間の会話はこちらでは特に設定していません。この作品のボール、アムロ、チェーンの3つの要素を踏まえて、どう捉えるか見る側に想像してもらう。そして、その想像を私に聞かせて頂くのが私の狙いで、楽しみなんです(笑)。

――そうすると、このボールが作られた設定なども見る人の想像に任せるというスタンスですか?
TONKAそうですね。架空の機体ですので、結末などは想像におまかせしています。一応自分のなかの設定では、「殺伐とした戦争の中でも娯楽の1つも無いのでは疲れてしまいますよね。そんな環境の中でも遊び心を忘れず、余ったニューガンダムのパーツで、チェーンがボールをカスタムして、アムロを驚かせて喜んでいる」風景をイメージして制作しました。

――本作を含め、TONKAさんの作品は、非常に精緻な作りの作品が多い印象です。ご自身が、ガンプラを製作するうえで一番大切にしていること、信条はどのようなことですか?
TONKAありがとうございます。『ニューボール』はアマチュア時代の作品ですが、現在はプロモデラーとしてユーザー様のお手本に一遍にでもなれたならと思い制作をしています。これからもうれしいコメントが頂けるよう、研鑽を積んでいけたらと思います。

――最後にTONKAにとって「ガンプラ」とは?
TONKAこの『ニューボール』を通じてたくさんの出会いがありました。おかげさまで今では、「Shibata Modeler's Squad」(@SHIBAMO_SMS)という模型サークルの代表や、プロモデラーとして活動するまでになりました。ガンプラは不思議な力を感じられる、”素晴らしいコミニュケーションツール”ですね。

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