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　リア・ディゾンの結婚、妊娠のニュースはなぜかまったくおもしろいと思えなかった。言い方を変えれば新鮮味がないというか、まったく興味を持てなかった。どうしてだろう？　なるほどな、といった感じ。そこにニュースの持つ新しい驚きが無かった。きっと、近いうちにこういうことになるんだろうな、という予感があった。グラビア業界で生き残るにはルックスやスタイルだけでは不可能だ。２年経てば当然２つ年を取るし、２つ年下の若いニューフェイスが登場する。ユーザーもそれを待っている。バラエティーの世界でも通じる頭の回転の早さや、語彙の豊富さ、仕切り芸的な能力がなければ厳しい日本の芸能界で元グラビアアイドルというポジションで活動し続けるのは不可能だ。

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　１年前、雑誌の取材で大学の学園祭にてリア・ディゾンのコンサートを観た。しかも、オール・スタンディング。客層はほぼ男性。女性は1000人くらいのキャパの体育館に100人くらい、といったところか。もちろん、カップルの姿は１組も目に入らなかった。男性客はオタク系というよりも、むしろガテン系。屈強な男子が目立った。

　カラオケでの口パクかと思っていたのだが、生バンドを率いての生歌であることに驚かされた。バンドサウンドに負けることのないボーカル。意外にも歌がしっかりしていて、CDを80パーセントは再現していた。これは、アイドル歌手には非常に難しいことだ。１時間ちょっとのコンサートではあったが、最後まできっちりと歌い踊ったリア・ディゾン。体力もあり、声帯も強いのだろう。

　カタコトの日本語でのMCはキュートではあったが、ファン以外にとっては中だるみという感じは拭えなかった。「オヤジギャグガダイスキ」とMCで言い会場の笑いを誘ったが、まさか結婚相手の29歳・スタイリストのことでは……深読みか？　しかし、リア・ディゾンに「結婚してください」と言った日本人男性の勇気と自信はどこから生まれてくるのだろう？　大した男だ。

　黒船に乗ってアメリカから日本にやってきた女の子の出稼ぎはこれにて一時終了、ということになった。でも、彼女にとって最大の収穫はスタイリストの日本人男性とお腹のベイビーということなのだろう。

　ところで、今回、ちょっとビックリしたのはリア・ディゾンがまだ22歳だという事実。でも、考えてみれば彼女が敬愛するという今もなお日本のトップアーティストであり続ける安室奈美恵が妊娠・結婚を発表したのは20歳。そう考えると若過ぎるということはない。

　ルックスの良さとカタコトな日本語が可愛い、というキャラクターのみで戻れるほど甘くない世界。芸能活動復帰までどれくらいかかるのかはわからないが、その期間にまずは日本語を勉強するのがよろしいのでは？　とりあえず、目指すところはアグネス・チャン（デビュー当時は巨乳で有名だった！）といったところで。（文・松本哲也）


　リア・ディゾン