台湾であす14日より公開となる映画『青春18×2 君へと続く道』（日本公開は5月3日）の監督・脚本を務めた藤井道人が13日、台湾・台北市内のホテルで開催された現地メディア向けの記者会見に出席。藤井監督にとって初の国際プロジェクトとなる日台合作映画の本作が実現するまでの運命的なストーリーを告白した。

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　藤井監督は「僕のおじいちゃんが台湾人でした。そして僕が映画監督としてまったく売れてなかった20代の頃に台湾に留学して、自分が好きだった台湾映画の会社へ行って、『自分は映画監督で、台湾で映画が撮りたいんです』と営業して回っていたことがあった。今回はその縁でこのプロジェクトの監督に選んでもらうことになりました。僕は人とのつながりとか、縁が好きで、大事にしていきたくて、祖父が育った台南の街で映画が撮れるということが自分にとってすごく特別なことでした」と話した。

　同映画は、台湾で話題を呼んだジミー・ライの紀行エッセイ『青春18×2 日本慢車流浪記』を原作とするラブストーリー。主人公のジミーを台湾の人気俳優シュー・グァンハン、ジミーが18歳の時に出会った台湾を旅するバックパッカーのアミを清原果耶が演じる。2人が台湾で出会った18年前と、アミのふるさとを目指して日本を旅するジミーの現在が交錯する内容で、日本と台湾の両方でロケを敢行した。台湾出身で国際的に活躍する俳優のチャン・チェンが初めてエグゼクティブプロデューサーとして製作に参加した作品ということでも、現地では大きな注目を集めている。

　藤井監督は「撮影が終わってから、台湾で得たことを日本に持って帰って来られたと実感することがあって、お互いの良いところを認め合って、リスペクトしあって、映画をつくれたことは、僕だけじゃなくて、日本から参加したスタッフたちも、それを大事に新たな作品をつくれているので、自分にとっては唯一無二の経験になりました」と話していた。

　そんな藤井監督にとって「特別な作品」は、台湾内のロケ地に同映画の宣伝物が設置されたり、台北市内をラッピングバスも走行したり、盛り上がる準備は万端。最後の一押しとして、現地のマスコミに向けて藤井監督は「台湾の観客の皆さまの特別な時間に、特別な体験になってもらえるように、愛情をもってつくりました。この映画が長く広く皆さまに伝わることを願っています」と伝え、会見を締めくくった。