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亀梨和也、「本当の自分ってなんだろう」と悩んだ過去 40代に向けての展望【インタビュー】

 3人組グループ・KAT-TUN亀梨和也(37)が、バイオレンスの巨匠とも呼ばれる三池崇史監督とタッグを組んだ超刺激サスペンス映画『怪物の木こり』(12月1日公開)で、狂気のサイコパス役に挑戦している。危険な魅力を放ちつつ、キャラクターの複雑な心情までを演じきり、観る者を釘付けにする。劇中で“サイコパス”と“普通の人”を行き来するキャラクターに扮した亀梨だが、自身も生まれながらの自分と、アイドルとしての自分との間で、「本当の自分とは?」と悩んだ時期があると告白。40代に向けて、どんなときも大切にしていたいモットーを明かした。

映画『怪物の木こり』に出演する亀梨和也(KAT-TUN)  撮影:山崎美津留(※崎=たつさき)(C)ORICON NewS inc.

映画『怪物の木こり』に出演する亀梨和也(KAT-TUN)  撮影:山崎美津留(※崎=たつさき)(C)ORICON NewS inc.

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■サイコパス役に飛び込んだ理由「間違いなく面白いものになる」 “亀梨和也”を駆使した色気にも注目

映画『怪物の木こり』に主演する亀梨和也(KAT-TUN)(C)2023「怪物の木こり」製作委員会

映画『怪物の木こり』に主演する亀梨和也(KAT-TUN)(C)2023「怪物の木こり」製作委員会

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 映画『怪物の木こり』は、2019年第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した倉井眉介の同名小説が原作。怪物の仮面をかぶり、人間の脳を奪い去る連続猟奇殺人が世間を賑わしていた中、次のターゲットとして弁護士・二宮彰(亀梨)が狙われる。しかし彼は、犯人をも凌駕するほどの冷血非情なサイコパスだった。事件の謎を解き、犯人の正体を暴かなければ殺される極限状況に追い込まれた二宮は逆襲に出る。二転三転する予測不能なストーリーと共に、二宮が変ぼうしていく様子も大きな見どころだ。

 サイコパス役を演じるというチャレンジングな作品となったが、オファーを振り返った亀梨は「まず座組に惹かれました」と吐露。「三池監督が描くサイコパスはどうなるのかと、興味をそそられて。『悪の教典』などでも三池監督の描く男性像に美しさのようなものを感じていましたし、三池監督と『怪物の木こり』という組み合わせには、間違いなく面白いものになるだろうという予感がありました。そこに声をかけていただけたことがうれしく、『ぜひ』という感じでした」と前のめりで飛び込んだ。

 スタイリッシュなスーツ姿、ハラリと顔にかかる前髪など、亀梨演じる二宮にはビジュアル面からも“美しきサイコパス”としての説得力にあふれている。

 亀梨は「衣装や髪型についても、キャラクタースーパーバイザーの方やヘアメイクチームと一緒に作り上げていくことができました。衣装は少しクラシックなスタイルにしていこうと話したり、たくさんコミュニケーションを取っていました。僕はスタッフさんたちへの信頼を持って、なんの疑いもなく現場に立たせてもらうことができました」と感謝しきり。色気の匂い立つようなサイコパスになったことに関しては、「“亀梨和也”を使うところは、あえてそれを使って」とほほ笑みつつ、「あれだけビシッとした格好をしている人が、鈍臭かったらいやですよね。革靴を履いたアクションは滑るので大変でしたが、アザを作りながら頑張りました」としみじみと回顧する。

映画『怪物の木こり』に主演する亀梨和也(KAT-TUN)(C)2023「怪物の木こり」製作委員会

映画『怪物の木こり』に主演する亀梨和也(KAT-TUN)(C)2023「怪物の木こり」製作委員会

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 バスケットボールを防犯カメラに命中させて破壊するカットや、高所からのハイジャンプなど、数々のアクションシーンにもトライしており、亀梨は「バスケットボールを当てるシーンは、台本を読んでいるときはCGでやるのかなと思っていたんです。でも監督から『あそこにバン!と当ててください』と言われて(笑)。『当てるんですか。わかりました』という感じで。橋の上から飛び降りるシーンも、『飛べるよね』『はい、飛べます』という感じでしたが、久しぶりに震え上がりましたね」と苦笑い。

 震えるような場面でも前進する力をくれたのは、現場の熱気だと力強く語る。「『どうしたらベストなものを生み出せるのか』とみんなで悩みながら答えを導き出していくような、プロフェッショナルな現場でした。そんな中、三池監督の決断力はとても鋭くて。ひとつの映画をみんなで作り上げていこうという温もりのある現場で、そういった熱量を感じると無茶できるというか。監督や現場に身を委ねつつ、『もっとギアを上げていこう。この作品に対して尽くせるものがあるならば、もっと出したい』と思える現場でした」と充実感をみなぎらせていた。

■“相手ありき”の仕事への向き合い方「受け取ったものに対して返すことのできる自分でいたい」

映画『怪物の木こり』に主演する亀梨和也(KAT-TUN)(C)2023「怪物の木こり」製作委員会

映画『怪物の木こり』に主演する亀梨和也(KAT-TUN)(C)2023「怪物の木こり」製作委員会

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 “サイコパス”と“普通の人”を行き来する二宮を演じる上で亀梨は、彼の二面性を表現することになった。亀梨自身は、自分の中に二面性を感じることはあるだろうか。

 すると「『ソファーで寝ちゃいます』とか『スーパーでネギを買います』と言うと、驚かれることがあります」と楽しそうににっこり。たしかにスマートなスターオーラが輝く…というパブリックイメージのある彼だが、「だらしないところもありますよ。二日酔いで動けないということもあるし」と笑いながら、「むしろネギを買ったり、朝から木々に水をあげ、剪定をして、ワンコといちゃついたりする方が日常で、コンサートや大勢の人がいる前に立つことの方が非日常。若い頃は意気揚々と(楽曲『Real Face』の中で)舌打ちをしていましたが(笑)、舌打ちしたり、カッコつけるのに体力がいるなと思うときもある。でもコンサートが始まるまでにそこまでのテンションに持っていきますし、それは求められることにふさわしい立ち方をするということであって、自分の中では二面性だとは思っていません」と胸の内を語る。

 劇中の二宮は次第に「本当の自分は何者なんだ?」と葛藤していく。アイドルとしての顔を持ちながら生きる上では、亀梨も「本当の自分ってなんだろう」と悩んだ時期があるという。

 「芸能生活も、今年で25年になって。僕は今37歳なので、人生において芸能人でいる時間の方が長くなりました。そこまで裕福な家庭で育ったわけではない僕が、わりといいお家に住まわせてもらって、いい車に乗って、いいご飯を食べて…という時間の方が長くなってきた。20代後半くらいの頃には『生まれたときの自分が本質だと思っていたけれど、(アイドルの)“亀梨和也”でいる時間の方が長いな。どっちが本当の自分なのかな』と悩んだ時期があります。今はそれがいい形で混合していて。畳で育った人間なので、フローリングに畳を敷いてみたりして(笑)。ソファーがあったとしても床に座ってしまうし、ダイニングテーブルでご飯を食べることに『かっけー!』と憧れて買ってみても、そんなにしょっちゅうダイニングテーブルで食べないし」と破顔しながら、「そういったすべてが自分。いろいろなチャンネルがある」と受け入れられるようになった様子だ。

映画『怪物の木こり』に出演する吉岡里帆、亀梨和也(KAT-TUN)(C)2023「怪物の木こり」製作委員会

映画『怪物の木こり』に出演する吉岡里帆、亀梨和也(KAT-TUN)(C)2023「怪物の木こり」製作委員会

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 芸能人としても、アイドルだけでなく、スポーツキャスター、俳優などあらゆる顔を持っている亀梨。どのような場面であっても大切にしているのは、「一緒にお仕事をしてくれる方がいる。その存在をしっかりと感じること」だと熱を込める。

 「僕はアイドルなので、その場面ごとにいろいろなことを求められます。笑いたくないときでも笑顔でいることもあるし、自分の中で常識みたいなものを作りすぎてしまうと、心がしんどくなる職業ではあると思います。『右を向いてください、左を向いてください、下を向いてください』といったように、商品的な扱いをされるときだってある。でもそこに相手側の温もりがあれば、それに対してこちらもしっかりと返そうと思える。僕自身、インタビュアーをすることもありますが、やっぱり選手にお話を聞くときにはきちんと準備をして、熱量を持ってやりたいなと思うんです。それは、そういった熱量というものはしっかりと相手に伝わるものだと体感しているから。それに仕事って、みんなが楽しかったと思える時間にしたいですよね。40歳を目前にして、どういう仕事をしていくのか、しっかりと脳を働かせて仕事をしていかなければいけないと思う中、受け取ったものに対して返すことのできる自分でいたいなと感じています」。(取材/文:成田おり枝)

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  • 映画『怪物の木こり』に主演する亀梨和也(KAT-TUN)(C)2023「怪物の木こり」製作委員会
  • 映画『怪物の木こり』に出演する亀梨和也(KAT-TUN)、菜々緒(C)2023「怪物の木こり」製作委員会
  • 映画『怪物の木こり』に主演する亀梨和也(KAT-TUN)(C)2023「怪物の木こり」製作委員会
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