歌手の舟木一夫（78）が16日、東京国際フォーラム ホールAで『舟木一夫 Concert Tour 2023』の東京公演を開催した。芸能生活60周年の節目を経た今年は、全国27ヶ所29公演のコンサートを行い、この日が28ヶ所30公演目にあたる同ツアーのファイナルとなった。

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　舟木は1963年6月5日に「高校三年生」でデビューし、芸能生活60周年を迎えた。近年は全国ツアーをはじめ、劇場公演、スペシャルプログラムによる「シアターコンサート」など精力的にステージをこなしている。

　12月12日に79歳の誕生日を迎える舟木にとって、この日は78歳最後のコンサート。「友を送る歌」で幕を開け、「本日は、後期高齢者を励ます会にようこそ（笑）」とジョークを飛ばす。「いつもは（ツアーファイナルを）中野サンプラザでメインにやっていましたが、ご存じのようにサンプラザが取り壊しで立て直すことになりましたので、今年は東京国際フォーラムで開催することになりました。どうぞ最後までごゆっくりとお過ごしください」と笑顔であいさつした。

　その後は「花咲く乙女たち」をはじめ、「高原のお嬢さん」「夕笛」「絶唱」、最新シングル「湖愁」などを歌唱し、大ヒット曲「銭形平次」ではファンが総立ちとなって手拍子で応える大フィーバーっぷり。中盤では、西條八十氏が作詩、船村徹氏が作曲した17分あまりのオリジナル大曲「日本の四季〜春、夏、秋、冬〜」を熱唱し、風格と実力を存分に見せつけた。

　後半は、おなじみの青春ソングのヒット曲から「修学旅行」「君たちがいて僕がいた」「高校三年生」「学園広場」などを披露し、フィナーレのアンコールナンバー「ROCK'N ROLL ふるさと／旅愁ver」では、再び観客全員がスタンディングで盛り上がり、新旧織り交ぜた全26曲のプログラムでファンを楽しませた。

　79歳の誕生日を目前に、舟木は「長いこと歌ってきて、去年60周年を迎えましたが、いろんな歌が歌えてよかったなと思います」としみじみ語り、「あと何年歌えるかというよりも、あと何年生きられるか…」と笑う。

　舟木と言えば、昨年2月に前立腺がんのため死去した西郷輝彦さん（享年75）、今年5月に歌手活動から引退した橋幸夫（80）とともに“御三家”と呼ばれ親しまれてきた。そんな“御三家”最後の一人として、この日は高らかに「来年の12月に80歳になりますが、そこから1年歌わないと80歳までやったことになりませんから、今年を抜いてあと2年。こちらの問題だけではなく、（お客さまの）どちらが欠けても成立しないので、どうぞお大事に！」と“現役続行”を宣言した。

■『舟木一夫 Concert Tour 2023』東京国際フォーラム ホールA セットリスト
01. 友を送る歌
02. 青春の鐘
03. あいつと私
04. 雨の中に消えて
05. くちなしのバラード
06. 花咲く乙女たち
07. たそがれの人
08. 高原のお嬢さん（バラードver.）
09. 湖愁
10. あゝ荒城の月かなし
11. 夕笛（Pf ver.）
12. 絶唱
13. 銭形平次（R＆Rver）
14. 組曲「日本の四季〜春夏秋冬」
15. あゝ青春の胸の血は
16. 修学旅行
17. 仲間たち
18. 君たちがいて僕がいた
19. 高校三年生
20. 学園広場
21. 東京は恋する
22. 北国の街
23. 哀愁の夜
24. その人は昔のテーマ
25. End・Love
26. ROCK'N ROLL ふるさと／旅愁ver