俳優の沢尻エリカ(37)が、2月10日〜18日に東京・新国立劇場 中劇場で上演される舞台『欲望という名の電車』で主演を務めることが2日、発表された。芸能活動を再開し、今作で舞台初出演・初主演を飾る。
2005年にフジテレビ系ドラマ『1リットルの涙』主演で注目され、映画『パッチギ!』では日本アカデミー賞新人俳優賞と話題賞俳優部門を受賞。『ヘルタースケルター』で同・優秀主演女優賞に輝いた。その後も『不能犯』、『食べる女』、『億男』、『人間失格 太宰治と3人の女たち』など、映画・ドラマを中心に数々の話題作に出演してきた。
『欲望という名の電車』は、アメリカ演劇を代表する劇作家テネシー・ウィリアムズの名を世界的に知らしめた名作。1947年にブロードウェイで初演され、ピューリッツァー賞を含むブロードウェイ3大賞を同時受賞。51年にはヴィヴィアン・リーとマーロン・ブランドで映画化されアカデミー賞を受賞するなど、映画史に残る名作となった。
アメリカ南部、ニューオーリンズが舞台。上流階級出身の未亡人ブランチ・デュボアが、妹のステラ・コワルスキーを訪ねてやってくる。しかし、妹とその夫スタンリー・コワルスキーの暮らしに我慢ならず、ハロルド・ミッチェル(ミッチ)との出会いに最後の幸福をつかもうとするが、愛は非情な終わりを迎え、精神が壊れていく。ブランチ役を沢尻が演じる。
ブランチと反発し合うステラの夫スタンリー役は、伊藤英明が演じることが決定。“蛾”のような繊細さをまとったブランチのもろさと相反するスタンリーのエネルギーが、反発しながらも互いを引き寄せ合っていく。
ブランチの妹・ステラ役には清水葉月、ブランチに好意を抱くミッチ役には高橋努。さらに、ステラの大家ユーニス役で青木さやか、ユーニスの夫のスティーブ役で福田転球、スタンリーのポーカー仲間でもあるパブロ役で中村まこと、医師役で久保酎吉、看護師役でうらじぬの、コワルスキー家にやってくる集金人の若者役で青木瞭が出演する。
1993年『ザ・寺山』で第6回岸田國士戯曲賞を受賞し、映画『月はどっちに出ている』『愛を乞うひと』の脚本や『焼肉ドラゴン』、舞台『パラサイト』などの鄭義信氏が演出を手がける。鄭氏は「高慢な中に孤独の影を感じさせる沢尻エリカさんと、柔らかな心を硬い肉体で包み隠そうとしているかのような伊藤英明さんをはじめとする、心強い俳優たちと、深い密林をかき分けるかのように、テネシー・ウィリアムズの台詞と格闘しようと思う」と意気込んでいる。
東京公演後、来年2月22日〜25日に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。
■あらすじ
アメリカ南部、ニューオーリンズ。「欲望」という名の電車に乗って、「墓場」という電車に乗り換えて、「天国」と呼ばれる猥雑(わいざつ)な下町に降り立ったブランチ・デュボアは、妹のステラ・コワルスキーを訪ねる。
2人は南部の地主の家に生まれ、裕福な少女時代を過ごした姉妹だった。しかしブランチは、実家のベル・レーヴ(美しい夢)という名の大農園を失ったことをステラに告げ、妹とその夫スタンリー・コワルスキーが暮らす質素な部屋に身を寄せる。
ポーランド系労働者である義弟の野蛮な言動を嫌悪するブランチと、彼女の上流階級然とした振る舞いに我慢がならないスタンリー。2人の軋轢(あつれき)が高まるなか、ブランチはスタンリーの友人ハロルド・ミッチェル(ミッチ)との出会いに最後の幸福をつかもうとする。しかし愛は非情な終わりを迎え、ブランチの精神は壊れてゆく。
■演出・鄭義信(チョン・ウィシン)コメント
ついに手を出してしまった!大名作である!テネシー・ウィリアムズである!「欲望という名の電車」である!これまで、数々の名演出家が挑んできた。僕のようなものが、しゃしゃり出てくる作品ではないのだ。それでも、冒頭のブランチの「 『欲望』という名の電車に乗って、『墓場』という電車に乗り換えて、六つ目の角で降りるように言われたんだけど……そこが、『天国』だよって」という台詞に、心がグラグラしてしまう。磁石のように惹(ひ)きつけられてしまう。そして、最後の台詞も……。
あらためて読みかえしてみると、テネシー・ウィリアムズが劇中に散りばめた台詞のどれもが、蛇のようにまとわりついてくる。夢の中までも、追いかけてきそうである。この魅惑的で、危険な台詞とどう対峙していくのか、そして、ニューオリンズの蒸し暑く、湿った街の匂いをどう再現すればいいのか……課題は山積みだ。
高慢な中に孤独の影を感じさせる沢尻エリカさんと、柔らかな心を硬い肉体で包み隠そうとしているかのような伊藤英明さんをはじめとする、心強い俳優たちと、深い密林をかき分けるかのように、テネシー・ウィリアムズの台詞と格闘しようと思う。
2005年にフジテレビ系ドラマ『1リットルの涙』主演で注目され、映画『パッチギ!』では日本アカデミー賞新人俳優賞と話題賞俳優部門を受賞。『ヘルタースケルター』で同・優秀主演女優賞に輝いた。その後も『不能犯』、『食べる女』、『億男』、『人間失格 太宰治と3人の女たち』など、映画・ドラマを中心に数々の話題作に出演してきた。
『欲望という名の電車』は、アメリカ演劇を代表する劇作家テネシー・ウィリアムズの名を世界的に知らしめた名作。1947年にブロードウェイで初演され、ピューリッツァー賞を含むブロードウェイ3大賞を同時受賞。51年にはヴィヴィアン・リーとマーロン・ブランドで映画化されアカデミー賞を受賞するなど、映画史に残る名作となった。
アメリカ南部、ニューオーリンズが舞台。上流階級出身の未亡人ブランチ・デュボアが、妹のステラ・コワルスキーを訪ねてやってくる。しかし、妹とその夫スタンリー・コワルスキーの暮らしに我慢ならず、ハロルド・ミッチェル(ミッチ)との出会いに最後の幸福をつかもうとするが、愛は非情な終わりを迎え、精神が壊れていく。ブランチ役を沢尻が演じる。
ブランチと反発し合うステラの夫スタンリー役は、伊藤英明が演じることが決定。“蛾”のような繊細さをまとったブランチのもろさと相反するスタンリーのエネルギーが、反発しながらも互いを引き寄せ合っていく。
ブランチの妹・ステラ役には清水葉月、ブランチに好意を抱くミッチ役には高橋努。さらに、ステラの大家ユーニス役で青木さやか、ユーニスの夫のスティーブ役で福田転球、スタンリーのポーカー仲間でもあるパブロ役で中村まこと、医師役で久保酎吉、看護師役でうらじぬの、コワルスキー家にやってくる集金人の若者役で青木瞭が出演する。
1993年『ザ・寺山』で第6回岸田國士戯曲賞を受賞し、映画『月はどっちに出ている』『愛を乞うひと』の脚本や『焼肉ドラゴン』、舞台『パラサイト』などの鄭義信氏が演出を手がける。鄭氏は「高慢な中に孤独の影を感じさせる沢尻エリカさんと、柔らかな心を硬い肉体で包み隠そうとしているかのような伊藤英明さんをはじめとする、心強い俳優たちと、深い密林をかき分けるかのように、テネシー・ウィリアムズの台詞と格闘しようと思う」と意気込んでいる。
東京公演後、来年2月22日〜25日に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。
■あらすじ
アメリカ南部、ニューオーリンズ。「欲望」という名の電車に乗って、「墓場」という電車に乗り換えて、「天国」と呼ばれる猥雑(わいざつ)な下町に降り立ったブランチ・デュボアは、妹のステラ・コワルスキーを訪ねる。
2人は南部の地主の家に生まれ、裕福な少女時代を過ごした姉妹だった。しかしブランチは、実家のベル・レーヴ(美しい夢)という名の大農園を失ったことをステラに告げ、妹とその夫スタンリー・コワルスキーが暮らす質素な部屋に身を寄せる。
ポーランド系労働者である義弟の野蛮な言動を嫌悪するブランチと、彼女の上流階級然とした振る舞いに我慢がならないスタンリー。2人の軋轢(あつれき)が高まるなか、ブランチはスタンリーの友人ハロルド・ミッチェル(ミッチ)との出会いに最後の幸福をつかもうとする。しかし愛は非情な終わりを迎え、ブランチの精神は壊れてゆく。
■演出・鄭義信(チョン・ウィシン)コメント
ついに手を出してしまった!大名作である!テネシー・ウィリアムズである!「欲望という名の電車」である!これまで、数々の名演出家が挑んできた。僕のようなものが、しゃしゃり出てくる作品ではないのだ。それでも、冒頭のブランチの「 『欲望』という名の電車に乗って、『墓場』という電車に乗り換えて、六つ目の角で降りるように言われたんだけど……そこが、『天国』だよって」という台詞に、心がグラグラしてしまう。磁石のように惹(ひ)きつけられてしまう。そして、最後の台詞も……。
あらためて読みかえしてみると、テネシー・ウィリアムズが劇中に散りばめた台詞のどれもが、蛇のようにまとわりついてくる。夢の中までも、追いかけてきそうである。この魅惑的で、危険な台詞とどう対峙していくのか、そして、ニューオリンズの蒸し暑く、湿った街の匂いをどう再現すればいいのか……課題は山積みだ。
高慢な中に孤独の影を感じさせる沢尻エリカさんと、柔らかな心を硬い肉体で包み隠そうとしているかのような伊藤英明さんをはじめとする、心強い俳優たちと、深い密林をかき分けるかのように、テネシー・ウィリアムズの台詞と格闘しようと思う。
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2023/11/02