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【ANN55周年連載Vol.10】ANN3部?『あさぼらけ』上柳昌彦×冨山P対談 Creepy Nutsへの贈る言葉と55時間特番

 ニッポン放送“深夜ラジオの代名詞”『オールナイトニッポン(ANN)』が55周年を迎えたことを記念して、2月17日の午後6時から19日の深夜1時にかけて、10年ぶりとなる大型特番『オールナイトニッポン55周年記念 オールナイトニッポン55時間スペシャル』が放送される。現役パーソナリティーはもちろん、過去にANNを担当していたレジェンドたちも集結、さらに明石家さんまが42年ぶりにANNを担当するほか、ゆずCreepy Nutsaiko井口理King Gnu)といった今回の特番ならではのコラボまで、まさにANNの55年の歴史の集大成とも言える豪華ラインナップとなった。

(左から)冨山雄一氏、上柳昌彦 (C)ORICON NewS inc.

(左から)冨山雄一氏、上柳昌彦 (C)ORICON NewS inc.

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 今のANNを語る上で外せないのが、深夜3時からの『ANN0』終わりに放送されている『上柳昌彦 あさぼらけ』(月曜 前5:00/火〜金 前4:30)だ。1983年から86年の3年間にわたってANNの月曜2部を担当しており、この55年をさまざまな立場から眺めてきた上柳昌彦アナ(65)と、同局コンテンツプロデュースルーム所属のANNブランドプロデューサー・冨山雄一氏(41)に話を聞いた。

■「WANIMAのあんちゃん」&新内眞衣との関係から始まったANN受け 上柳アナの“長屋感”がぴったりハマる

 『あさぼらけ』のオープニングトークでは、ANN0で直前まで話されていた内容がもとになることも多い。この点について上柳アナに聞いてみた。

【上柳昌彦】取り立てて考えているわけではないです。もともと、深夜放送を聞きながら、ウダウダするという習性があるので、今でもANNやANN0を聞きながら、番組の準備をしていて、ふっと言葉が入ってくるという印象です。直前の言葉や、自分の関心があるコメントが出てくると、それを受けています。

【冨山雄一】直近ですと、ぺこぱのANN0で、芸人さんのシメの言葉みたいなことを話していたのですが、それを受けて上柳さんが「きょうもきょうとて」という話をしながら、最終的に(TBSアナウンサーだった)林美雄さんの話までいっていて、引き出しのある上柳さんだからこそのトークでした。

【上柳】その受けで、山崎怜奈さんの話をしたら、山崎さん本人がツイッターでつぶやいてくださっていて。ありがたいことですよね。そういう意味では、ANNのみなさんに助けてもらっています。オープニングトークは、自分が動いて回ったこととか、そういうものをスタジオに持ってこないといけないんだけど、なかなか毎日そういうことがあるわけではないので、自分の引き出しを開けてもらっているような感覚です。

 2016年にスタートした『あさぼらけ』だが、同局の檜原麻希社長が編成局長だった頃、上柳アナのもとに打診があったという。「こういう枠なんですけど…とお話をいただいて。なんとなく、あそこの枠がいいなと思っていたんですよね。僕自身、ANNの月曜2部上がりなので、やっぱり、あの時間帯っていいんですよね。しかも今後のスタッフの働き方のトライアルで作家やADがいない形でディレクターとミキサーのみで、実験的にやってみようという話をされて、それは面白いなと思ったのが最初でした。自分の中では、4時半から5時までは深夜放送だなと思っているのですが、まさか、ここまでANNの受けをやることになるとは、始まった当初は思っていなかったです(笑)」。

 『あさぼらけ』が始まった当初、WANIMAが火曜の『ANN0』を担当していたが、上柳アナが「WANIMAのあんちゃんたちが、無茶ぶりをよくしてくれていたんですよ。『あなたも歌ってください』とか言われたり(笑)。ANN0終わりには時報もなく、間のCMもないので、ここから朝のワイド番組ですっていう感じでもないよなという印象でした」と明かす。

【冨山】『あさぼらけ』がスタートした年に、僕がANNのチーフディレクターになりました。もともと、僕と上柳さんはお昼の帯番組『上柳昌彦 ごごばん!』という番組でご一緒して、上柳さんが持っている“長屋感”というか、番組の前後とか横同士が親しい関係値になるという空気感を持っていたので、WANIMAとか、水曜のANN0を担当していた新内眞衣さんとかがきっかけになった…という印象です。

【上柳】新内さんは「上柳先輩、よろしくお願いします」と振ってくれていたんですよ。僕は、新内さんがいらっしゃった(ニッポン放送の関連)会社に、あとから入っているから、厳密にいえば後輩だから、先輩からの振りには、ちゃんと受けないといけないなっていうのもあったりして(笑)。「あなたの方が先輩でいらっしゃいますよ」っていうようなことを言ったりして、そこから受けというようなことが始まっていったのかなと。

【冨山】新内さんの番組を担当されていた作家の石川昭人さんもそうですが、僕らANNのディレクターや作家陣は、上柳さんへのリスペクトがめちゃくちゃあるので。ニッポン放送で長年やられている上柳さんが『あさぼらけ』をやられているんだと、ANNパーソナリティーにも話していました。ラジオは、地続きのものでもあるので、それで考えたら、朝ドラ受けじゃないですが、上柳さんANN受けが楽しみになる形がすごくいいなと、これは始まってみてから感じたことです。ANNの自由な空気感だからこそというところもあり、レジェンドがどっしりと朝4時半から構えてくださっているので、今では、僕の認識としては『あさぼらけ』は事実上、ANN3部みたいな位置づけです(笑)。

【上柳】ANN0がすごく人気で、ネット局の数が増えたので、『あさぼらけ』もピタッとくっついた形で、うれしいですよね。(2016年あさぼらけ開始時は全国10局ネットだった。現在(2023年2月)は、ANN0が全国31局ネット、あさぼらけは全国29局ネットに増えている。)

Creepy Nuts 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.

Creepy Nuts 撮影/池本史彦 (C)ORICON NewS inc.

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■Creepy Nuts「のびしろ」に「入院中助けられた」 THE ALFEE山下達郎との放送を語る

 2018年から『ANN0』火曜を担当し、昨年4月から『ANN』月曜を担当しているCreepy Nutsとは関係性も深く、『ANN0』最後の放送では、『あさぼらけ』オープニングトークの内容から、2人が放送で何を語ったのかを推察する「クイズ!上柳昌彦」も行った。

【上柳】あれは金子ディレクターがすごかったですね。全部聞いてくれたみたいでね(笑)。東京国際フォーラムのイベントでもやっていただいて、あれで手拍子が起きなかったどうしようって思いましたけど、みなさん温かく手拍子していただいて、よかったです(笑)。ネタの当事者としては、よくぞ、そんな面倒なことをやってくれたなと。ああやって、手間暇かけると、受け止めてくれる、あったかいリスナーさんがいらっしゃるから、うれしいですよね。僕は入院している時に、彼らの楽曲「のびしろ」に助けられました。

 そんな2人が、3月いっぱいをもって『ANN』を卒業するが、2人への贈る言葉を向けてみた。「やっぱり残念ですよね。ラジオというのを、もうひとつの軸として、残ってくれて、これからもいてくれるのだろうなと思っていたのでね。でも、それはもう、彼ら2人にしかわからないことなので。ただ、入院中の僕が、Creepy Nutsの曲に力づけられたように、そういう人たちがいっぱいいるよということは覚えていてほしいですし、また時々は、この長屋を訪ねてほしいなと。やっぱり、曲がいいんですよ。ヒップホップとか、何もわからないんだけど、ああいうリズムとか、譜割りは、本来体になじみない人間なんですが、彼の楽曲はすばらしいですよね。初めて聞いたときから好きだなと思っていたので、これからも好きであり続けたいです」。

 昨年4月に『星野源ANN』内で行われた「箱番組総選挙」では、「ポメラニアンと上柳昌彦のオールナイトニッポン」として、ポメラニアンのわかばくんとともに放送を行った。「あれもひどい話ですよ(笑)。稀有ですよね。冗談だろうと思っていたのですが、野上ディレクターが犬を連れてきてね(笑)。それで、どうしようと思って、相談をしたいなと思ったんですけど、作家の寺坂直毅さんがスタジオに近寄ってこないんですよ。寺坂さん、犬が全然ダメらしいんですよ(笑)。それで、ものすごくしつけがよくて、鳴かないんですよね(笑)。それで、新聞紙を敷いてもらったりして、なんとかやってみました」。

 反響については「僕の42年のアナウンサー人生の中で、一番褒められました(笑)。あんなに褒められたことはないです(笑)。リスナーのみなさんから、いっぱいの熱いお褒めの言葉をいただきました」と笑顔を浮かべた。

【冨山】上柳さんと僕は親子くらい年齢が離れていて、『ごごばん』をやっていた当時、僕は30歳くらいだったのですが、僕が企画することに対して、上柳さんはなんでも乗っかってきてくださって。面白いとおもったら、乗っかってきてくれるので、それって、今のANNにおける面白いものを作ろうみたいなものと、同じものがあるなと感じます。佐久間さんのANN0に、伊集院光さんがいらっしゃった時に、伊集院さんが(ANNを担当していた時期に親交のあった)上柳さんのことをイジっていた時に、上柳さんが向こうのスタジオから駆け付けてきて生放送に飛び込んで、立ったまま、ワーっと話していて、その時の姿は、僕がこれまで見てきた上柳さんの中で一番おもしろかったです(笑)。

【上柳】あれは、伊集院氏の情報が間違っていたから(笑)。オレのカミさんが、ローラースケートで、ニッポン放送内を走っていたと話していて、それは違うよと話をしたんです(笑)。

 今回の55時間特番では、18日の午前9時からは山下達郎とともに担当し、19日の午前9時から放送されるTHE ALFEEパートにゲスト出演を果たす。

【上柳】THE ALFEEの方は収録を終えまして、途中でゲスト出演するという形だったのですが、宴会の途中に遅れてきた人みたいになっちゃいました(笑)。1987年に行われた、夕方から明け方にかけて静岡県の日本平で行った「SUNSET SUNRISE」というライブイベントで、1時から5時までANNで中継をやったんですよね。とんでもないことですよ。それのディレクターが浅野啓児さんという方で、吉田拓郎さんが体調を崩してANNを休んだ時に、アナウンサーを呼んで「吉田拓郎を偲んで」という放送をやったような人で(苦笑)。

「冗談です」と言ったのですが、手遅れで、大騒ぎになってしまったという…。それが、僕がニッポン放送にはいる直前の出来事だったものですから、これはえらいところに入るんだなって(笑)。それを仕掛けた人が、僕の夜の音楽番組のチーフディレクターになったんですよね。ロマンティストで、後先考えずに「こんなことをやりたいんだよ」って話していて、その中のひとつが「SUNSET SUNRISE」だったんですよね。そんな方の思い出話をしました。

達郎さんとの番組は、まさかこういうことになるとはというのが率直な心境です(笑)。こういうタイトルになっている以上は、僕はゲストという立場ではないだろうとは思っているんですよ。インタビュアーになってもいけないけど、山下達郎さんがやっているというような雰囲気にするためには、どうすればいいのかなと考えています。

達郎さんがANN2部をやられていた時に、ディレクターではないのですが、ものすごく音楽の趣味が合って、仲が良い藤井さんというスタッフの方がいらっしゃったんです。その藤井さんというディレクターさんが、僕の音楽番組を担当していたので、達郎さんがいらしてくれていたんです。そこで「せっかくだったら『GET BACK IN LOVE』やってよ」なんて言ったら、生歌でやってくださったこともありました。

キーボードの調子がよくなくて、ちょっと達郎さんが納得いかなかったらしくて。僕らは「うわー生歌!」なんて思っていたんですけど、次の日に藤井さんのもとに、達郎さんから電話がかかってきて「納得いかないから、やり直したい」と。それで夕方いらっしゃって、途端にレコーディングモードの達郎さんを見ていました(笑)。これでいいんじゃないかと言ったときに、ミキサーさんのつまみのガリっていう音がちょっとだけ入っちゃって、ものすごく怒られたっていう(笑)。そういうことがあったりして、それからアルバムを出す度なので、間は空いているのですが、来ていただいたり、コンサートにも呼んでいただけるようになって…そうなっていたら、こんなことになりましたと(笑)。当時の話などもできればなと思っています。

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