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楽曲リリース続くトニセン、今は“歌いたいモード”「目指すはドームツアー」

 坂本昌行長野博井ノ原快彦からなる3人組ユニット・20th Century(通称トニセン)が10月17日に新曲「水曜日」を配信リリースする。2022年は5月に「夢の島セレナーデ」、8月に「風に預けて」、そして10月に「水曜日」と5ヶ月間に3曲を発表している。精力的に活動を続けているトニセンが、今一番大事にしていることはなんなのだろうか。

10月17日に新曲「水曜日」を配信リリースする20th Century

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■自由に楽しんで、「やりたくなったら、やる」という姿を先輩が見せていきたい

――10月17日に「水曜日」がリリースされますが、2022年は5月からの5ヶ月間に3曲も配信楽曲をリリースされています。今、みなさんの音楽に対する熱が高まっているということなのでしょうか。

井ノ原:今までは、リリース日が決まって、タイアップが決まって、それから制作が始まっていったけれど、今は「やりたくなったら、やる」というのを先輩が見せていこうというスタンスになりました。ぜいたくな話なんですけれど(笑)。「自由に楽しく音楽やってます」という気持ちを大事にしたいんですよ。「今は歌いたい気分じゃない」というときにはやらない。でも「歌いたい!」ってモードになった時にその気持ちがもったいないから、「できるだけ継続してできることって何だろう?」と考えて、配信という手段に行きついた感じ。今は、歌いたいモードなんです。

長野:ペースは、自然にできたね。楽曲自体はいつ出すからというのではなく、ずっと集めていて。今回もタイアップに合わせて曲をすぐに提示できたし、配信だからこそ、ベストなタイミングでリリースすることもできた。今までとは違う動きだし、違う早さだけれど、自然に楽しみながらやれていますね。

坂本:スタンスで言うと、いい意味で“ゼロベース”かも。「これをやりたい、あれやりたい」じゃなくて、「これいいよね、これ楽しいね」というところからスタートしている。だから、3人で音楽について話し合わずとも、自然とその道に導かれて行くというか。3人がぶつかることもなくて、「同じところを見ているんだな」と実感しています。

井ノ原:そうね、確かに。

■若いアーティストやスタッフのフィルターを通して、また新しい“トニセン”を届ける

20th Century「水曜日」ジャケット

20th Century「水曜日」ジャケット

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――自分たちが楽しんでいる結果、音楽を届けられているということでしょうか?

井ノ原:そうですね。自由に音楽できないって寂しいじゃないですか。だから「楽しい!」というのは、一番大事にしていますね。

――「曲をずっと集めている」ということですが、「水曜日」もだいぶ前から手元にあったのでしょうか。

井ノ原:作者のミツメさんにデモをもらった後、僕が「こういう感じにするのはどうですか?」と提案した感じで演奏を入れ直してもらったりして、すでに何度かやりとりをしていた曲なんです。その過程を2人にも聴かせていました。

長野:そうですね。前から聴いていた曲だったので、メロディーが入っている状態で歌えたのは、すごくやりやすかったですね。

――曲選びは、どのように行っているのですか?

井ノ原:それぞれが気になっているアーティストさんを出し合っています。できるだけ若い人たちとやりたいというのは、3人の共通意見で。その中で、「ミツメさんに作ってもらえたらいいよね」となったんです。それは曲だけじゃなくて、スタッフに関してもそう。だから、30代や20代の人と仕事をする機会が増えたよね。

坂本:若い人のフィルターを通すと、また新しくなるじゃないですか。「水曜日」は僕らにとっては馴染みのあるというか、どこか懐かしいようなサウンドなんだけれど、若い人には新しく聴こえる。すごく新鮮ですね。

長野:今の新しい音楽だって、60年代、70年代、80年代の音楽がベースになっているでしょ? だから、いい音楽はいつの時代でもいいんですよ。

井ノ原:今のヒットチャートに入っているサウンドも大好きなんだけど、70年代の音数が少ない音楽を聴くと、やっぱり改めて「良いよね」って感じます。僕は、2人の感覚をすごく信じているから、たくさん話し合って、自分たちが聴き心地がいい音楽をやっているんです。

坂本:肌感覚で、メンバーが欲しているものがわかっているからね。

――ジャケット写真も70〜80年代のアイドル風ですね。

井ノ原:そうなんです。僕らが見ていた、70年代の先輩アイドルのビジュアルをモチーフにしいます。時代とともに美意識は変わるけれど、僕らが「カッコいいな」とか「素敵だな」と思っていた人たちの美しさって普遍的だから、俺らが憧れていた時代のカッコよさを再現するのがいいんじゃないかって話になって。

坂本:昔の新御三家(郷ひろみ・西城秀樹・野口五郎)さんとか、今見てもカッコいいし、かわいいし、素敵なんだよね。そういうところがうまく再現できたら、うれしいんですけれど。

井ノ原:オマージュなんだけど、おもしろくならないように気をつけました。リスペクトでやっているので。

長野:ジャケット撮影でのカツラは初めてだった(笑)。でも、照れてちゃダメなんだよね。やってみて、当時のアイドルは、いろんな表現を自分たちのものにして発表していたんだなと改めて思いました。

■楽曲があるのにライブをやらないのはもったいない

20th Century「水曜日」ジャケット

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――1週間の中で、なぜ「水曜日」をクローズアップしたのでしょう。

井ノ原:水曜日って週の真ん中じゃないですか。憂鬱な月曜から真ん中に向かって気分が上がってくるんだけど、だんだん疲れてきちゃうから、なんとかなだらかに、木曜日からも楽しめるような曲が欲しいというリクエストをしました。そしたらそのまま「水曜日」っていう楽曲になりました。

長野:僕は実家が自営業で、水曜日が定休日なんですよ。だから水曜日って、特別だった。もしかしたらどこかへ出かけるかもしれないし、小学生のときは「水曜日は早く帰ろう」と決めていたんですよ。

井ノ原:めっちゃいい話じゃん!

長野:だから余計に、水曜日に特別な想いがあります。

――MVには水曜日を心待ちにしている人たちが描かれています。

井ノ原:そう、水曜日にだけ踊る人たちがテーマです。その踊りがけっこう厳しくて。「角度揃えて!」とか、細かかったんですよ(笑)。

長野:ポップで簡単な振り付けなんだけど、実際踊ってみると、キレ、角度、目線など、実はすごく細かく合わせていて、集中が必要でした。

坂本:「角度45度で!」って言われたのは、少年隊のバックに付いていたとき以来だったな(笑)。

井ノ原:懐かしいね、当時は角度合わせてたもんね。

坂本:そう。それ以来だから、新鮮でした。真剣にやりましたよ、緊張しながら。

――「大人になることがやけに 不安だった」という歌詞がありますが、大人になったことで感じた変化はありますか?

長野:視野が少し広がったかな? 「これやってください」って言われて、昔だったら「ん?」って思ったものが、今は「やってみようか」と思える。柔軟になったのかな。

井ノ原:そっちの方が楽しい?

長野:その方ががんばりすぎないで済むというか、自分のペースを守れますね。

井ノ原:リーダーはどうですか?

坂本:長野くんが言うように、周りを見られるようになったというのはありますね。そうすると当たり前と思っていたことが、当たり前じゃなかったことに気付いて感謝が生まれる。特に一緒に仕事をする人には、笑顔でいてもらえたらうれしいなと思いながらやっています。

井ノ原:僕たちだけじゃ、何もできないってつくづく思うよね。でも年を経たからこそ、できることが増えているのも事実で。できないことは、そんなに頑張ってやらなくていいと思えてくるし、できることが増えていくのが楽しいです。

――楽曲がどんどん増えているということは、ライブもそろそろ……。

井ノ原:もちろん、楽曲があってライブをやらないというのはもったいない話だからね。なんのために曲を作っているのかって。

坂本:タイミングが来たらやるでしょう。「見たい」という声が届けば「やろうか」というスタンス。前向きに「やりたい」って気持ちはありますよ。ただ、僕ららしさは絶対に忘れちゃいけない。自分たちがやりたくて、楽しんで、それを形にすることが僕ららしさだと思っています。これからドームツアー目指してもいいかなって!

坂本:全国には、小さいドームがたくさんあるのよ(笑)。

長野:“5小ドームツアー”でもやる?(笑) ライブは3人とも大好きなので、そんな発想で自然と形になったらいいなと思います。


取材・文/坂本ゆかり

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  1. 1. トニセン、新曲「水曜日」ジャケットは“80年代王道アイドル風” 
  2. 2. 楽曲リリース続くトニセン、今は“歌いたいモード”「目指すはドームツアー」

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