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堺雅人、演じやすいのは“悪い人”「善い人の方が大変」【インタビュー】

 俳優・堺雅人(48)が26日放送の日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』(後9:00)で主演を務める。20年7月期のTBS系『半沢直樹』以来のドラマ出演となる堺だが、今回演じるのは“詐欺師”に仕立てあげられてしまう超お人よしなサラリーマン・絹咲正(きぬさき・ただし)。久々のコメディー作品に挑みながらも「コメディーの才能のなさに自信を持っている」と軽やかに笑う堺が、今作の芝居で発見した新たな楽しさについて語る。

日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』(後9:00)で主演を務める堺雅人 撮影:KOBA (C)ORICON NewS inc.

日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』(後9:00)で主演を務める堺雅人 撮影:KOBA (C)ORICON NewS inc.

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■「善い人は自分というものがない。悪い人は動機があるから演じやすい」

 いつも自分より他人を優先し、人の気持ちを読んで行動するのにそれがどこか行き過ぎていて、“可笑(おか)しな人”になってしまう…。そんな絹咲正という男が、門脇麦演じる女詐欺師・澪との出会いをきっかけに10億円をだまし取る計画に巻き込まれていく。嘘が嘘を呼び、だましだまされを軽快なテンポで描いた物語だ。

 「今回の現場は、監督を含め、スタッフに“はじめまして”の若いメンバーが多かったんです。みなさん、お優しい方達でとても楽しかったです。。すばらしいことですね(笑)。いろいろなことを教えられた企画でした。コロナ対策でコーヒーも飲めないし、お菓子も食べられない。ご飯も黙って食べないといけない環境のなか、スタッフの方達はイライラせずしっかりやっていたのですごいな、と思いました」と水野格監督をはじめ、若手チームとの作品づくりの感想を語る。

日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』(後9:00)で主演を務める堺雅人 撮影:KOBA (C)ORICON NewS inc.

日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』(後9:00)で主演を務める堺雅人 撮影:KOBA (C)ORICON NewS inc.

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 実はこの“優しい若者”というのも作品の裏テーマだそう。「台本と一緒に、監督から『最近の若い人はいい人が多い。人をだませないし押しのけない、傷つけない。そういうテーマで考えた台本です』と言われました」と振り返り、「“若い人”がどうだとかはわからないけれど、絹咲正に限定すれば“人を傷つけないのは自分を押し殺している”。自分はなにがすきなのか、自分というものがなくなっている。それは良さそうに見えて怖いことだなと思います」。

 だからこそ、演じる上では悪い人よりも「善い人の方が大変」という。「善い人は、自分というものがない。周りが善いと思っていることをするから、その人自身に動機がないんです。でも、悪い人は『これがやりたい』と思っているから、動機がありますよね。とっかかりがある分、悪い人の方が演じやすい」。

 一方、ただ“善い人”で終わらないのが正の魅力でもある。「今回の役は最初『とっかかりがないなぁ』と思ったけど、体がとっかかりになりました。頭では自己を殺していても、すぐに恋に落ちたりして体が自己中心的なんです」という。「正は、すぐに人を好きになってしまうという頭と体のバランスの悪さがおもしろい。頭では自分を殺していても体がいうことをきかない。あっちにいったりこっちにいったり、浮いたり沈んだりする人。そのバランスの悪さが役を演じている上での楽しみどころでもありました」。

日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』(後9:00)場面写真 (C)日本テレビ

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 「ドキドキしたり、胸の奥があったかくなったりお腹の奥がギュッっと固まったり。細かな体の感覚がとっても楽しかった。今までフォーカスしてこなかった部分なので、役者のおもしろさをこの現場で新たに実感することができましたし、みなさんに教えていただきました。役者という仕事のおもしろさは毎回、更新している感じです。今回も新しい自分を引き出していただいている感覚でした」と今作での発見に手応えを感じているようだった。

■「どんな役でも演りたい」――キャリアを積んでも貪欲な姿勢

日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』(後9:00)で主演を務める堺雅人 撮影:KOBA (C)ORICON NewS inc.

日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』(後9:00)で主演を務める堺雅人 撮影:KOBA (C)ORICON NewS inc.

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 『半沢直樹』をはじめ、さまざま作品で人気を集めてきた堺。演じたのはいずれも印象深いキャラクターたちだが「それだけ評価していただいたり、楽しんでいただけたことはうれしいことですし、ありがたいことです。(新たな仕事をする上での枷になることも)あるんじゃないですか」とプレッシャーなく臨んでいるという。柔和で温厚なイメージを世間から持たれていることにも「あったらあったで作戦を考えればいいし、なければないでやりやすい」と至ってフラットだ。

 前回のドラマ出演から2年。「あっという間といえばあっという間でした。今回もやっぱり楽しかったので、ありがたいな、と。『こういうことをやりませんか』と台本をいただけるだけでありがたいなと思います。そういう意味では待ち望んでいた2年間でした」と現場を満喫した。

日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』(後9:00)で主演を務める堺雅人 撮影:KOBA (C)ORICON NewS inc.

日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』(後9:00)で主演を務める堺雅人 撮影:KOBA (C)ORICON NewS inc.

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 「共演者がすばらしい方ばかりだったので安心して、いろんなことを試すことができました。感染予防をしながらの撮影ではマスクをつけた状態でテストをするで、本番まで相手がどんな表情なのかわからない。そういう意味で今回は、マスクで顔が隠れていても『こういうことなんだろうな』と読み合えるキャリアのある方ばかりだったので問題ありませんでした。マスクをはずしただけで全然印象が違ったり、『え!そんな芝居してたの!』ってカメラが回ってから気付いたりすることもあるわけですから」とキャストへの信頼も語る。

 確固たるキャリアをもっても「基本、どんな役でもやりたい」と貪欲、「今回もコメディーだからやりたいとは思わなかった」とこだわりもない。むしろ「自分にコメディーの才能のなさには自信を持っている。なので、全く考えずにやりました。監督がうまく導いてくださったと思います。小さい頃から、冗談を言ってウケた試しがないし、自分のことをあまりおもしろくないと思いながら生きてきた」と自虐まで飛び出した。「笑いに関しては全く自信がないので、もしこの作品が笑えなかったら僕のせいではなく監督のせい(笑)」と茶目っ気たっぷりな“責任転嫁”で笑わせていた。

日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』(後9:00)場面写真 (C)日本テレビ

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■堺雅人プロフィール

生年月日:1973年10月14日生まれ、48歳
1992年に俳優デビュー。主な出演作品に大河ドラマ『真田丸』(2016年)、フジテレビ系連ドラ『リーガル・ハイ』シリーズ、TBS系連ドラ『半沢直樹』シリーズに主演。

衣装協力:Y-3 、 GMT

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  • 日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』(後9:00)場面写真 (C)日本テレビ
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