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異色の“スーツラッパー”が太田プロ入りした真意 悪口ヒゲメガネからの脱却

 「もっと知ってもらってもいいんじゃあないか」――。これまでMCバトルの大会・ULTIMATE MC BATTLE(UMB)2017全国大会優勝など、ラッパーとして全国区の知名度を誇るDOTAMA(36)が4月、芸能事務所・太田プロダクションに所属した。その出で立ちは、一般的にイメージするようなラッパーとは正反対。スーツをビシッと着こなし、メガネを掛けた清潔感のある姿は、サラリーマンそのもの。ヒップホップ界でも異色の存在だ。そんなDOTAMAはなぜ今、“芸能事務所”入りを決意したのか。独占インタビューでその理由や今後展開する活動について語ってもらった。

太田プロ入りした異色の“スーツラッパー”DOTAMA (C)ORICON NewS inc.

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 DOTAMAは1984年11月19日生まれで、高校卒業後に地元の栃木県のホームセンターに10年間務め、上京。アーティストとしてこれまでソロ作品5枚を含め、計10枚のアルバムを発表しているほか、全国ツアーを実施するなど、精力的に活動している。また、MCバトルの大会にも参戦し、UMB 2017全国大会で優勝するなど実績は折り紙付き。その毒舌っぷりに「ディスの極みメガネ」という異名もついた。

 また2015〜20年まで放送された『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)では初代モンスターとして活躍。その後、現在放送中の『フリースタイルティーチャー』(同)、『ハイスクールダンジョン』(ABEMA)にも出演したほか、今年3月末には『激レアさんを連れてきた。』(テレビ朝日系)に登場。ホームセンターに10年務めたまじめ社員から、過激な発言で相手を罵りまくるラッパーになった経緯が紹介されると、視聴者から大きな反響を呼んだ。

■ためらった4年前のオファー “異色止まり”に葛藤

 今回、太田プロダクションに所属することになったDOTAMAだが、実は4年前にもオファーを受けていたという。しかし「一度考えさせてほしい」と丁重に断った。その理由について「ありがたいお誘いだったのですが、当時は音楽制作やライブで頭がいっぱいで、お断りする方を選んでしまった」と説明する。

 だが、その後は地元・栃木県のラジオ局で冠番組を受け持つほか、舞台や映画の出演、サッカーJ1・サガン鳥栖のCHIEF RAP OFFICERを務めるなど、多角的に活動を展開。「新しいお仕事をやらせてもらい、4年前とは違う自分として、ほんの少しでもアーティストとしてステップアップできてるのかなと感じた。新しい自分が培われてきたので、再びお声がけいただき、芸能事務所のお仕事をやってみたいと強く思った」と心境に変化が生じた。

 併せて芽生えたのが「自分の活動を知ってもらいたい」という思いだった。サラリーマンの経験や音楽活動により「社会的なノウハウやリリース作品は重ねたが、もっと知ってもらってもいいんじゃあないか」と自身のウィークポイントも理解している。「自信がある楽曲やライブ、トークをもっと広げさせてもらう場所、見てもらえる場所に行かなければいけないんじゃないか、という思いが1〜2年くらいくすぶっていた。4年ぶりに太田プロさんにお話をいただいて、『これだ』と思った。責任が伴うのでじっくり考え、覚悟を持って決断した」とその意思は固い。

 これまで多角的に活動を展開し、全国放送のテレビ番組に出演しても、その知名度は決して高いとは言えなかった。「スーツを着てラッパーとして異色感が強いからか、“異色止まり”だった。その先を知ってほしいところがあった」と胸に秘めた思いを吐露。だからこそ、自分自身を多くの人に知ってもらう必要があると感じ、芸能事務所への所属を決意した。

■多角的に活動するも根幹はミュージシャン

 今年3月には人気グループ・KAT-TUN亀梨和也が主演する日本テレビ系連続ドラマ『レッドアイズ 監視捜査班』で、大病院の医師役を熱演。また過去には声優の仕事を経験する機会もあったといい、「いつも緊張しっぱなしですね。一丁前なことを言えるレベルではないので日々精進です。声優のお仕事も大変ありがたいです。ぜひ今後もやらせていただけたらうれしい」と俳優・声優業へも意欲を見せる。

 芸能事務所に入ったとしても、本職であるラッパーのスタンスが変わることはないという。「根幹として、僕はラッパーです。芸能事務所でのお仕事と言われるものはとても重いお仕事だと思う。きらびやかな印象ありますが、責任とプレッシャーが伴う仕事だと思います。影でこつこつ努力するのは当たり前で、人前に立ってお仕事をするというのはストイックで厳しいお仕事」と強調。芸能の仕事については「根幹にミュージシャンとしての自分がいて、いろいろ展開していくイメージが自分の中にはあります」と構想を明かした。

 一方、音楽活動については「今も2ヶ月に1回は定期イベントを開催しています。毎年1枚作品をリリースさせていただいていて、ワンマンライブを開催しています」とし、芸能事務所に所属した後もこれまでと変わらないペースを維持していく。自身の知名度を一躍全国区に押し上げたMCバトルは2017年のUMB優勝以降、大会には出場していない。「『もうDOTAMAはバトルに出ないの?』って誤解されているが、引退はしていない(笑)。MCバトルのお仕事もやらせてもらっている。『フリースタイルティーチャー』『ハイスクールダンジョン』でも大変お世話になっています。(大会は)タイミングが合えば出たい」とした。

■刷新したい悪口ヒゲメガネのイメージ

 インタビューでは「ただ新しいことがしたいから芸能事務所に入った訳ではない」と何度も念押しした。「何も根拠がなく『新しいことがやりたいです!』と言ってるのではない。ラジオや声優、俳優のお仕事がある中で、もう少し頑張って挑戦してもいいのではないかと思った」。音楽活動を含め、多角的に仕事を続ける中で、「芸能事務所に入ることで、その活動全てを一段階上げたい」と狙いを語る。

 「自分の印象を自分の意志で塗り替えないといけない。MCバトルの“悪口ヒゲメガネ”DOTAMAみたいな印象がずっとある。それを塗り替えたい。それもあって芸能のお仕事をやりたい」と本音を明かした。

 併せて、自身の音楽面での成長にも期待を抱く。「太田プロさんという、新天地に身を置かせてもらって制作する楽曲が自分でも楽しみ。ヒップホップは自分の生活に根ざしたリアルな音楽。日常を進むのに背中を押してくれる音楽だと思う」と熱い思いを語り、自身の目標達成に向け決意を新たにした。

 DOTAMAは、26日放送のNACK5『GOGOMONZ』、5月2日放送の文化放送『Society5.0 香格里拉』に出演する予定。

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