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こんな不動明王見たことない!大分「瑞光庵磨崖仏」


「おんせん県」として注目を集める大分県ですが、磨崖仏の数でも日本一。全国の約8割が大分県内にあり、豊後大野市を中心とした大野川流域には珍しい造作の磨崖仏が数多く点在しています。
中でも異彩を放っているのが、瑞光庵(ずいこうあん)の岩窟に鎮座する不動明王立像。鬼気迫る迫力なのにどことなくユーモラスなお姿は、仏像ファンならずとも必見です。

ミステリアスな岩窟が待ち受ける瑞光庵磨崖仏

写真:小野 浩幸

瑞光庵は、奥豊後大野平野の長閑な田園風景を見渡せる小高い丘に佇む小さなお堂。千手観音、阿弥陀如来、薬師如来が祀られており、由来や縁起は分かっていませんが、地元の越生(こしお)地区の住民に愛され、大切に守られています。

写真:小野 浩幸

元々このエリア一帯は、阿蘇山の噴火で堆積した溶結凝灰岩で覆われており、岩肌が柔らかく彫りやすいため、磨崖仏や石造物が多く造作されました。しかし、岩肌に直接彫られている磨崖仏は多いのですが、このように岩窟を掘って、その中に磨崖仏を彫るというのはたいへん珍しいものです。
岩窟の幅は6m、高さが2m、奥行きは2mの長方形。
中は真っ暗で、一瞬入るのをためらいそうになりますが、入口左上にあるボックスを開くと照明のスイッチがありますので、安心してお入りください。

最初はおっかなビックリ!怖いけど愛くるしい不動明王

写真:小野 浩幸

明かりを灯した瞬間、闇の中から睨みをきかせる憤怒形相の不動明王磨崖仏と数々の石仏群が現れます。初めて見る人は、この迫力に圧倒されることでしょう。実物は、写真よりもかなりのインパクトがあります。

写真:小野 浩幸

磨崖仏には色彩が施されており、背面の火焰光や両手に持っている倶利伽羅剣と羂索で不動明王だと判別がつきますが、顔だけ見ていたら一体何を彫っているのか分からないかもしれませんね。

写真:小野 浩幸

見る角度で違ってみえる表情もこの磨崖仏の特徴です。はじめは怖いと思ってしまいますが、良く見てみるとファンキーな感じにあふれ、ユーモラスさもあります。参拝者も多く、何よりも地元の人々に愛されているというのが理解できますね。

見れば見るほど味わい深い瑞光庵磨崖仏

写真:小野 浩幸

面白いのは顔だけではありません。下半身を見てみるとかなり足が短いことに気づかされます。上半身から彫っていたら足りなくなり、いつの間にか4頭身になってしまったとしか、私には思えません。
なんだか笑い話のようですが、石仏の専門家や歴史研究家によると、このような顔や下半身の造顕手法から近世の作品であると云われています。ホンマかいな。

写真:小野 浩幸

まわりに鎮座する石仏は、お不動様と対照的に大変おだやかな表情で参拝者の心を癒してくれます。

写真:小野 浩幸

また、瑞光庵の敷地内には蓬莱(ほうらい)様と呼ばれる亀を模した石像も祀られています。
珍しいお不動様「瑞光庵磨崖仏」はいかがでしたでしょうか。
毎年旧暦の1月29日にあたる日には大祭も行われ、参拝者へ御札と甘酒、カッポ酒などが振舞われます。車で行かれる方はくれぐれもハンドルキーパーとご一緒に。

瑞光庵磨崖仏の基本情報

住所:大分県豊後大野市緒方町越生778
駐車場:無(手前にある幅の広い道路脇に停めること)
アクセス:JR豊肥本線緒方駅から車で約10分、大分駅から国道10号線・中九州自動車道路経由で約1時間(大野IC下車)
2018年5月現在の情報です。最新情報は公式サイトなどでご確認ください。

【トラベルジェイピー・ナビゲーター】
小野 浩幸

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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