お彼岸のお供えに何を選ぶ?人気の品物と渡し方のマナーを解説!

お彼岸のお供えに何を選ぶ?人気の品物と渡し方のマナーを解説!

最終更新日:2022-10-10

春と秋の年 2 回訪れるお彼岸。ご先祖さまへの感謝の気持ちを込めて、お供えをするのが一般的です。お彼岸のお供えには何がふさわしいのでしょうか。

今回は、お彼岸のお供えとして選ぶべき品物と金額の相場、渡し方のマナーについてマナー講師が解説します。

お彼岸とは

お彼岸は、先祖に思いを馳せる期間として、日本で古くからある季節のならわしのひとつ。お彼岸は、春分の日と秋分の日の前後3日間、合わせて7日の期間です。春分の日と秋分の日をいずれも「彼岸の中日(ちゅうにち)」といい、お彼岸最初の日は「彼岸の入り」と呼ばれます。

ちなみに春分の日と秋分の日は国民の祝日ですが、毎年2月1日発行の官報に掲載される暦要項で正式決定されるので、毎年まったく同じ日になるとは限りません。

では、そもそもお彼岸とは、どのような意味なのでしょうか。彼岸はサンスクリット語のパーラミター(波羅蜜多)に由来する言葉で「川の向こう岸」を意味します。

川の向こう岸とはつまり「あの世」のこと。お彼岸の習慣は、この彼岸という言葉に、仏教における西方浄土の教え(極楽浄土は西にあるという考え方)が結びついたものとされています。

太陽が真西に沈む春分の日と秋分の日は、極楽浄土が明るく照らされる日であり、此岸(この世)と彼岸の距離が最も近くなるとされます。そのため、あの世の先祖に心が通いやすくなると考えられたのです。

この時期、寺院では「彼岸会(ひがんえ)」といわれる法要が営まれ、僧侶による読経や法話が行われます。また、家庭でも、家族や親戚、親しい友人が集まり、お墓参りをするのが一般的です。

お彼岸のお供えは必要?

お彼岸には、故人の好きだったものや季節のものを中心に、仏壇にお供えしましょう。

昔から受け継がれてきたお供えとしては、春のお彼岸には牡丹餅(ぼたもち)、秋のお彼岸にはおはぎが代表的。牡丹餅は、こしあんで大きく丸く作るのがポイントです。一方、秋のお彼岸に供えるおはぎは、つぶあんで小ぶりに作りましょう。

なお、お彼岸の期間によそのお宅にお参りする際には、必ずお供えを持参しましょう。これは故人やご先祖に対する礼儀です。また、四十九日後に初めて迎えるお彼岸を「初彼岸」といいますが、この場合は、通常より多少立派に準備する心遣いがあっても良いのではないでしょうか。

お彼岸のお供えの選び方

お彼岸は、他の年忌法要などとは違い、さほど厳しい禁忌はありません。宗教的な行事というよりは、仏教が日本の風習に結び付いた習慣であるからです。

一般的なお供えとしては、ご先祖や故人の好物、お花、お線香などが挙げられます。仏様へのお供えですから、他の仏事と同様に「消えもの」といわれる「食べてなくなるもの」を基本に考えましょう。

ただ、お供えを選ぶときに頭に置いておきたいのは、「お下がり」の文化です。他の年中行事でもそうですが、仏様にお供えをするとき、たいていの場合は「お下がり」をみんなで分けて頂きます。これには仏前に供えた有難いものに宿る徳を、みんなで分け合って頂くという意味があります。そのため、日持ちのするものや、個包装になっていて分けやすいものを意識して選ぶのが良いでしょう。

お彼岸のお供えに人気の品物

お彼岸のお供えに人気の品物(1)お米

最近特に注目されていますが、お米はおすすめです。量よりも質が重視される昨今、お米ギフトも例外ではありません。産地や銘柄にこだわった高級なお米を、少量ずつの包装にしたお米が人気。

お米は、どの家庭でも重宝するだけでなく、お供えしても腐る心配がありません。食品のお供えの中で、もっとも安定的なお供えのひとつといえるでしょう。

お彼岸のお供えに人気の品物(2)果物

果物のお供えは、春秋どちらでも季節を感じさせるお供えとしておすすめです。ご先祖や故人が好きだった果物を仏壇にお供えすることで、会話の糸口にもなるでしょうし、仏壇が賑やかになります。

お彼岸のお供えに人気の品物(3)お菓子

お菓子もお供えの定番としておすすめです。お彼岸には、自宅の仏壇に牡丹餅やおはぎをお供えするものとお伝えしましたが、それに準ずるものとして、あんこを使った和菓子のお饅頭や最中などが良いでしょう。

また、訪問先の家族構成により、お子さんがいらっしゃる場合などは、洋菓子も喜ばれるでしょう。和菓子、洋菓子いずれにしても、賞味期限に注意して、個包装のものを選んでください。

お彼岸のお供えに人気の品物(4)ドリンク類

清涼飲料水、果汁飲料、機能性飲料、スポーツ飲料、炭酸飲料、緑茶、紅茶、ウーロン茶など、最近はドリンクの種類もさまざまです。このようなドリンク類も、お下がりを考えた場合におすすめのお供えのひとつです。腐る心配がない点や、お下がりとして頂くときに気軽に分け合うことができる点が優秀です。

お彼岸のお供えに避けたほうがいい品物

お彼岸のお供えに避けたほうがいい品物(1)生もの

仏事において、ご先祖や故人へのお供えとしては、四つ足生臭物(よつあしなまぐさもの)といわれる生肉や生魚はふさわしくないとされています。これは仏教における殺生の教えからくるものですが、現実的に考えても、生の肉や魚は、衛生上の不安がありますので、避けたほうが良いでしょう。

ただ先にも述べたとおり、お彼岸のお供えは、それほど神経質になる必要もありません。肉や魚であっても、生でなく加工した佃煮やふりかけなどであれば、問題ないでしょう。

お彼岸のお供えに避けたほうがいい品物(2)お花

お花といっても、お花全般を避けるべきというわけではありません。選ぶなら、白やパステルカラーの柔らかい色を基調にしたお花を選びましょう。

避けたほうがいいお花は、香りの強い花、真っ赤や濃い紫、きついオレンジなどの色の花です。これらはお供えには不向きです。バラも、その棘が理由でNGとされています。

なお、どうしてもという場合以外は、お花はあまりおすすめではありません。というのも、お花は持参した相手の手を煩わせてしまう品だからです。花束であれば、花瓶の準備が必要ですし、飾ればいいだけのアレンジメントであっても、水やりを気にする必要があります。さらに枯れた後は、それを処分してもらう手間をかけます。

また、お彼岸には仏壇にお花が供えられてあるもの。そこにお花を持参するのは、ともすれば嫌味に受け取られる可能性もあります。特別な理由がある時以外は、あえてお花を選ぶこともないでしょう。

お彼岸のお供えに避けたほうがいい品物(3)お線香

お線香をお供えするのは、仏事として自然なことです。しかし、お彼岸は、暮らしの行事のひとつに仏教が結びついたもの。年忌法要などとは違い、さほど厳格な仏事というわけではありません。

訪問先のご家庭が日常的にお線香をあげているのかどうかや、お線香の香りに好みがないかどうかを知っているのであれば問題ありませんが、なんとなく選ぶのであれば、お彼岸のお供えはお線香でなくても良いと思われます。

お彼岸のお供えの金額の相場

よそのお宅へお彼岸のお参りに伺う際のお供えの金額は、3,000円~5,000円が相場。お金でお供えをする場合も同様です。

お金でお供えを持参する場合に気を付けたいのは「台」をつけるという考え方です。これは、お金だけを袋に入れて渡すのではなく、菓子折りを「台」に見立てて、その上に乗せて渡すというもの。

所説ありますが、元々「台」は、茶道でご祝儀を渡す際の扇子や、ご祝儀を乗せるへぎ台や切手盆に代わるものと考えられています。関西地方の方や年配の方などは「台をつけること」が当たり前になっていることがあります。その場合は、お供えのお金とは別に、1,000円~2,000円で菓子折りを用意して、一緒にお渡ししましょう。

お彼岸のお供えの渡し方のマナー

お彼岸のお供えの渡し方のマナー(1)掛け紙について

お彼岸のお供えでは、熨斗がついた熨斗紙ではなく、熨斗のついていない掛け紙を準備します。

水引は白黒もしくは白黄の結び切りで、表書きは「御仏前」や「お供え」としましょう。名前はフルネームが基本ですが、苗字だけでも構いません。

ただし親戚ばかりで苗字が同じ場合は、名前だけを書くこともあります。薄墨ではなく濃墨を使用し、持参する場合は外のし、郵送の場合は内のしにします。

お彼岸のお供えの渡し方のマナー(2)持参する場合

訪問してお供えを持参する場合、気を付けなくてはいけないのは、自分で仏壇にお供えしないということです。

まずは、訪問先のご家族に簡単に挨拶を。次に持参したお供えを袋から出し、「仏壇にお供えください」と渡します。このとき、掛け紙が相手から読めるようにして渡しましょう。それから仏壇に手を合わせ、お参りをさせてもらいます。

お彼岸のお供えの渡し方のマナー(3)郵送する場合

お供えを郵送する場合は、彼岸の入り(7日間の彼岸期間の最初の日)か、遅くても彼岸の中日(ちゅうにち)までに先方に届くように手配しましょう。配達の途中で汚れたり、破損したりがあってはいけないので、のしは内のしにしてもらいます。

送る手配をしたら、「お供えを送らせて頂いた」旨を電話でお知らせしておくと親切です。より丁寧にする場合は、事前にお手紙を送るか、品物に同封すると良いでしょう。

まとめ

春と秋の2回あるお彼岸。この世とあの世が最も近づくことから、ご先祖への思いが届きやすいとされ、お墓参りをする風習が根付いたといわれます。春分の日と秋分の日はどちらも国民の祝日ですから、この日は家族や親戚が集まり、先祖を思う日として大切にしたいものです。

ここでは、お彼岸に他家を訪問する際のお供えのマナーをお伝えしましたが、葬儀・告別式や年忌法要などと比べると、お彼岸はそれほど仏事としての色が濃くないのが特徴です。ご先祖や亡くなった方への敬意と、そのご家族の心情への心遣いを忘れずに、お供えを選ぶと良いでしょう。もしも何にすれば良いか迷ってしまうとお困りの場合は、こちらを一度ご覧ください。

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【執筆者プロフィール】

城戸景子
STUDIO STELLA代表
イメージコンサルタント/ビジネスマナー講師

神戸女学院大学文学部英文科卒業。コンピュータソフトウエア会社に就職後、営業秘書、営業に従事。その後転職、退職、結婚、子育てを経て、イメージコンサルタント資格を取得。外見のイメージ作りによる印象戦略の次は、内面を表すマナーが重要と考え、ビジネスマナー講師資格を取得。特にマンツーマンでのビジネスマナー研修は、内容が充実、日常のささいな疑問も解決できた、分かり易い上に印象に残ると人気。ビジネスマナー、生活マナー等マナー全般についてのオンラインコンサルティングも実施。お問合せ、ご相談はHPのお問合せから。

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