[憲法への視線 適用50年の沖縄から](2)弁護士 中野清光さん(87)

 むせ返るような熱気、重なり合う怒りの声-。1956年7月28日夜、那覇高校の校庭を県民が埋め尽くした「四原則貫徹県民総決起大会」を、当時22歳の琉大生だった弁護士の中野清光さん(87)=与那原町=は忘れはしない。

 軍用地料の一括支払いや新規土地接収などを促す6月の「プライス勧告」への抵抗のうねり。主催者発表で15万人の参加者は、戦後も虐げられる憤りにあふれ「土地を守れ」などと声を上げた。「島ぐるみ闘争」はこの日、最高潮に達した。

 一括払いは米国民政府が54年3月に発...