沖縄県南城市教育委員会が実施する市内中学3年生を対象とした2021年度「無料塾」がこのほど市役所で始まった。新型コロナウイルス対策関連事業の一環で2年連続の開催。今年は47人の受験生が机を並べ、志望校合格に向けて勉強をしている。

 無料塾は昨年度からスタート。学校長推薦を受けて無料で受験対策の授業を受けられる取り組みで、緊急事態宣言の影響などで休校が続き、学習の遅れに不安を感じる生徒らが対象。市が委託した講師が3月の受験前まで受験科目を教える。1月までは週2回、2月以降は週3回で全100時間以上の講義が開かれる予定。本年度3回目の授業では自宅学習などに用いられるタブレット端末が配布された。

 この日受講した女子生徒は「日に日に受験を意識するようになって不安になり、苦手科目を克服したいと思って希望した」と受講理由を説明。

 別の女子生徒は昨年の取り組みを市公式ホームページで知ったという。「いろんな中学校から受験勉強のために集まるので、集中できる環境だと思った」と話した。

 担当する市教委の屋宜宣一郎さんは「昨年からのコロナ禍で受験生にとっては厳しい状況が続いている。去年、保護者から好評だったことも継続要因として大きい。行きたい高校に合格するために頑張る生徒を応援したい」と意義を語った。